小惑星「Kushiike」命名 国際天文学連合認める 

上越天文教育研究会働き掛け、国立天文台が申請 清里区「櫛池隕石」落下100年記念事業

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 火星と木星の間にある小惑星の一つがこのほど、101年前に清里区に落下した「櫛池隕石(いんせき)」にちなんで「Kushiike」と命名された。

 櫛池隕石をより多くの人に知ってもらおうと、上越天文教育研究会(稲葉浩一会長)が働き掛けて実現。5日に上越市西城町3の高陽荘で同会が開いた研修会の中で、同会顧問で上越教育大大学院教授の濤﨑智佳さんが経緯や小惑星の概要を報告した。

 命名の動きが始まったのは平成30年。櫛池隕石落下100年の記念事業の一つとして、「櫛池」の名を持つ天体を生み出す案が挙がり、小惑星の命名プロジェクトが動き出した。

 火星と木星の間にある小惑星帯には、未発見を含めると100万個以上の小惑星があるといわれている。うち発見され、命名された小惑星は約2万個で、約75万個は番号のみが付され、未命名の状態になっている。

 同研究会は濤﨑教授を通じて国立天文台に相談。副台長の渡部潤一さんの提案により、国立天文台が命名申請権を持つ小惑星「(26806)1982KX1」の名前として「Kushiike」を申請することになった。昨年秋に国立天文台が国際天文学連合(IAU)に命名を申請。申請が認められ、今年5月14日にIAUのホームページに命名されたことが掲載された。濤﨑教授が原案を書いた命名文章には櫛池隕石のことや、落下を記念して建てられた天文台(上越清里星のふるさと館)が地域の天文教育の中心となっていることなどが語られている。

5日に開かれた研修会の中で、濤﨑教授(右)が報告した

 Kushiikeは昭和57年5月22日に、木曽観測所(長野県木曽町)で発見された。発見者は同観測所職員の香西洋樹さんと古川麒一郎さん(故人)で、今回の命名申請は香西さんに了解を得て行った。

 大きさは直径約11・9キロで、小惑星としては標準的な大きさ。5・54年で公転する。6月現在で地球からは2・2天文単位(約3・3億キロ)の距離があり、へび座の方角に見えるという。

 明るさは18・7等と非常に暗く、星のふるさと館の65センチ望遠鏡でも見ることができないという。石垣島天文台(沖縄県石垣市)に依頼し、同天文台の105センチ望遠鏡が5月31日に「Kushiike」を撮影。研修会の中で撮影画像や動画が報告され、会員から喜びの声が上がった。

 稲葉会長は「命名が認められたのは、星のふるさと館の活動などがあったからこそで、非常にうれしい。命名をきっかけに、もっともっと多くの人に天文や隕石に興味を持ってもらいたい」と話した。