遠藤航の同僚FW「自分の身分証偽装」を告白…理由は”代理人の脅迫”か

遠藤航がプレーしているシュトゥットガルトのFWシラス・ワマンギツカは、「自分は偽装されたパスポートでプレーしていた」と告白した。

シラス・ワマンギツカはこれまで1999年10月6日生まれと登録されていた選手。しかし今回の調査により、本名はシラス・カトンパ・ムヴンパ、生年月日は1998年10月6日であったことが明らかになった。

彼の身元に関する疑念は2019年12月に初めて報告され、フランスとドイツのメディアで話題になった。

それを受けてドイツサッカー連盟はシュトゥットガルトに要請を行い調査を進めたものの、フランスとドイツの政府機関によってチェックされた際にも必要な書類すべてが合致していたため、問題は発見されなかった。

しかしながら今回シラス自身がこの問題を告白。それに至った理由は、この偽装を進めた代理人と離れたことがきっかけだったとのこと。

2017年、18歳だったシラスはアンデルレヒトのトライアルを受験し、8月15日から11月14日まで有効なビザを獲得。その名前はシラス・カトンパ・ムヴンパで登録されていた。

その際、アンデルレヒトは彼の獲得を決めたものの、ビザが切れる直前だったため「コンゴに一旦帰国して新たにビザを取得してくれ」と依頼した。

しかしながら、当時の代理人は「いまベルギーを離れればもはや欧州に戻ることはできない」とシラスを説得したという。

そして代理人はシラスの身元を変更。彼の父親の名前であるシラス・ワマンギツカと名前を変え、生年月日も偽装したそう。

結局彼はアンデルレヒトでプレーすることはなかったものの、フランスのパリFCで2シーズンを過ごしてブレイクし、2019年にシュトゥットガルトへと移籍している。

通常パスポートの偽装は年齢を偽るためであることが多いが、シラスの場合は1年のみしか変わっておらず、それは問題ではなかったという。

おそらく身元を変えた理由は「シラスの弱みを握ること」だったという。故郷の人々との関係を断ち切り、偽装の事実を公開するという圧力をかけることで選手を思い通りに操る…という目的があったそうだ。

実際にシラスは代理人が用意した家で居住しており、給与も代理人によって多くが搾取されていたとのこと。

通常パスポートを偽装してプレーしたことが発覚した場合長期の出場停止処分が科せられるが、今回は選手自身が得をするために行ったものではない。

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これらの事実は今後法的に評価されるとのことで、クラブと協会、リーグが協力の上でシラスが本名でプレーできるよう手続きを進めていくとのことだ。

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