北海道・豊富町の「川島旅館」で石油温泉を楽しもう!

名湯百選に認定された豊富温泉

日本最北端にある稚内市の隣町、豊富町(とよとみちょう)。日本最北の温泉郷であるこの町では、なんと石油成分が含まれた温泉が楽しめるのです!

石油成分が含まれた温泉は、日本では新潟県の月岡温泉や新津温泉くらいしか知られていません。そんな珍しい石油温泉が豊富町で発見されたのは、1926年、石油のボーリング中だったのだとか。

豊富温泉のお湯は、底が見えないほど色が濃く、かすかに石油の匂いがします。日本の名湯百選に選ばれた美肌の湯で、神経痛や皮膚病の症状をやわらげ、アトピー性皮膚炎にも効くと言われています。

豊富温泉へは、稚内駅からJR宗谷本線で約45分の豊富駅から、バスが出ています。

100年の歴史を誇る「川島旅館」

豊富温泉でオススメの宿泊施設が「川島旅館」。外観はモダンですが、開業は1926年の老舗です。

ここを営む松本康宏(まつもと やすひろ)さんは3代目なのだとか。各地でホテルや旅館の在り方を学んだ後、「川島旅館」を今の形にリフォームしたとのことです。

松本さんは札幌の料亭で働いた経験を持ち、現在は料理長を兼ねています。妻の美穂さんは女将を務めています。

木のぬくもりが感じられる旅館

「川島旅館」の建物は、省エネを意識し、自然光をたっぷり取り入れる設計をされています。屋内には木材がふんだんに使われており、温かい雰囲気が満ちています。

小さな旅館だった時代の面影を残すチェックイン・カウンターには、エスニック風の壁紙が飾られ、彩を添えています。

子どもも楽しく過ごせるよう、館内には小さな子どもの遊び場が設けられています。

こちらは、2Fに通じる木造の階段。

こじんまりとしたエントランスは、宿泊者同士が交流できるスペースが設けられています。

豊富町の冬は厳しいですが、薪の匂いが香るストーブは、この町に暖かい思い出を作ってくれそうです。

シンプルで居心地のいい部屋!貸し切り可能なお風呂も

1Fにシングルルーム、2Fにツインルームがあります。室内にトイレや風呂はなく、入浴は大浴場、トイレや洗面所も共用となりますが、その分、館内の昔ながらの日本の温泉旅館らしい雰囲気をたっぷり楽しめるでしょう。

宿泊者がまるでわが家のように感じられるよう、内装は簡素で、備品もシンプルなデザインで統一されています。テーブルの下には、暖房が用意されています。

洗面所には、開業当時に設置されていた鏡が今も使われています。

2Fには本棚があり、北海道に関する雑志やマンガがたくさん並べられています。ここでのんびりしながら、旅の疲れを癒してもよさそうですね。

本棚は、廊下まで続いています。

そして、一番の注目ポイントはもちろん温泉です。浴室はこじんまりとしていますが、宿泊客数も多くないので、ちょうどいい広さです。

「川島旅館」には、屋内の内湯のほか、露天風呂もあります。露天風呂は、時間帯によっては貸切もできるのだとか。

なお、宿泊客以外も、日帰り入浴が800円(税込、大人)で楽しめます。

心が込もった夕食と朝食

「川島旅館」の食事は、経営者で料理長でもある松本康宏さんがすべて考案したもの。地元の食材を活用し、季節に合わせたメニューを出しています。

筆者が取材した日に出てきたのは、エゾシカ肉のたたき。北海道ならではのごちそうです。

食後のデザートは、地元産の牛乳を使ったソフトクリーム。コクのあるミルクの香りが広がります。

豊富町の認知を広めるため、「川島旅館」では地域の名物である豊富牛乳を多用しています。自家製クリームやチーズも人気で、このチーズを食べるためだけにこの場所へ訪れるグルメ通もいるのだとか。

伝統的な日本の温泉旅館の風情が感じられる朝食には、温泉卵と味付け海苔が付いています。一方で、洋食の要素も一部、取り入れられています。

筆者が朝食を食べようとしていると、スタッフがやってきて、「自家製ウニクリームは、ご飯とよくマッチしますよ」と教えてくれました。「川島旅館」に来たら、いつもと違う食べ方を試してみましょう!

貴重な体験ができる「川島旅館」

北海道の北部は、札幌とはまるで別世界のような、静かで心地よい雰囲気が漂っています。

筆者は今回、石油温泉に入るのが初めてだったのですが、冬の乾燥に効くためか、湯上がりはとても心地よかったです。

今回は、料理長の松本さんが、ひとつひとつの料理の背景や作り方も話してくれて、小さな旅館ならではの貴重な経験ができました。筆者も、わが家のようなこの旅館が大好きになりました。

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In cooperation with 川島旅館

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