会社社長が「医療従事者」で接種 熊本市の業務委託医院で

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 沖縄県の医療機器関係会社を経営する40代の男性社長=同県=が4月、熊本市の医院の「医療従事者等」として、新型コロナウイルスワクチンを同医院で2度、接種したことが9日、分かった。医療機関に判断を委ねている「医療従事者等」の範囲を巡り、議論を呼びそうだ。

 医院の院長と社長によると、社長が院長に接種を依頼。4月5日と3週間後の26日、沖縄から飛行機と新幹線を乗り継いで医院を訪れ、接種した。

 同社は、熊本県内に営業所を置き、医院から患者宅に酸素を届ける業務を委託されている。同社の社員は患者と接するため、医院が営業所の社員6人に接種した。ただ、社長が熊本県内を訪れることはこれまでほとんどなく、患者と接することもなかったという。

 厚生労働省は、自治体への通知で、委託業者について「患者と頻繁に接する場合には医療機関の判断で対象とできる」としている。

 男性は「高齢者の接種より早く打つことにためらいはあったが、出張が多く、感染リスクを考えて院長にお願いした」と話した。

 院長は「社長は社員と接する。患者とは頻繁に接していないかもしれないが、感染リスクを減らすために私の判断で接種した」と説明した。

 厚労省健康課は「患者と頻繁に接するか否かを含め医療機関の判断だが、『医療従事者等』の範囲には入りづらいと思う」。熊本県ワクチン対策チームは「道義的に問題がないとは言えない」としている。(隅川俊彦)