「より厳しい行動制限も」 インド変異株の拡大警戒 専門家警鐘鳴らす

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新型コロナウイルスのワクチン。接種により変異株の感染を抑える可能性が高いとされる

 新型コロナウイルスの流行第4波を大きくした要因として指摘されているのが、ウイルスの変異。長崎県内でも、従来株より感染力が強い英国由来の変異株にほぼ置き換わったとみられている。専門家は、さらに強力なインド由来の変異株が広まれば「より厳しい行動制限が必要になる恐れがある」と警戒している。
 「変異株の影響があったのではないかと思う」。長崎大学病院の泉川公一教授(感染症学)は7日の会見で第4波をこう評価した。県が5月24~30日に実施したスクリーニング検査によると、変異株疑いの感染者が100%に到達。県は「英国由来に、ほぼ置き換わっている」との判断を示した。
 一方、国内では既にインド由来の変異株の感染が確認されている。長崎大熱帯医学研究所の森田公一所長は「インド由来は伝播(でんぱ)力が英国由来のものよりも強い」と指摘する。
 感染封じ込めに一定成功してきたベトナムでも4月以降、インド株が流行し、さらなる変異も確認された。森田所長は「私たちも一生懸命、人との接触を避けてやり過ごしてきたが、今の努力の程度だと(インド株は)うまく抑えられないかもしれない。例えばロックダウン(都市封鎖)のような厳しい行動制限をしないと感染が収束しない恐れがある」と警鐘を鳴らす。
 その半面、インド株にワクチンが効かないとは現時点で言われていないとして「ワクチンが普及すれば感染を抑えられる可能性が高い」と主張。行政には「早く接種率を上げるような対応を求めたい」と注文した。今後、ワクチンが効かない変異株が発生する可能性もあり、研究の継続が求められるという。
 そもそも変異とは、ウイルスが複製する過程で生じる。不規則に起きるので、感染が広がるほど変異する頻度も上がる。「これだけ世界で流行すると、いろんな株が発生し、感染力が強い株も出てきてしまう。早く流行を抑えることで変異株の出現率を下げることができる」(森田所長)
 県は長崎市に発令していた独自の緊急事態宣言を解除した。森田所長はマスクの着用や手洗い、3密(密閉、密集、密接)を避けることの重要性を示し「県民がすべきことは今までの対策を再確認すること。正しい知識を得て正しく恐れ、適切に対応してほしい」と呼び掛けている。