新型コロナワクチン 職場接種と二重予約の懸念も

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 熊本市は9日、64歳以下の新型コロナウイルスワクチン接種のスケジュールを公表した。高齢者の予約を巡る混乱を受け、あらかじめ年齢による「分散予約」を導入。円滑な接種に万全を期すが、対象者は高齢者の倍以上となる約45万人に上る上、職場や大学での接種も始まるため、二重予約や打ち手不足などの懸念も残る。

 熊本市は65歳以上の高齢者の予約について、19日に受け付けを始める第4期の約5万人で、希望者全員が接種できると判断。64歳以下の接種開始を7月26日に定めた。

 市は、高齢者の第2期予約から取り入れた年齢層ごとの「分散予約」で、年齢確認などの強制力がなくても申し込みの集中を避ける一定の効果があったと評価。64歳以下を5期から8期まで四つの年齢層に区切り、殺到を避ける考えだ。予約枠に空きがあれば、対象年齢を引き下げるなど「必要に応じて臨機応変に対応する」と説明する。

 また、5日から市の公式LINE(ライン)を通じて接種対象者の意向を調べるアンケートを実施。集団接種会場と身近なかかりつけ医のどちらで接種を希望するかなど、年代ごとの傾向を把握し、円滑な接種に生かす。

 一方、政府は企業や大学での「職場接種」の申請受け付けを始めており、県内の企業や大学も実施予定。市が直接関与しないため、二重予約やキャンセルなどで、予約状況の全体把握が難しくなることも予想される。

 市感染症対策課は「二重予約で突然キャンセルされると対応が難しく、ワクチンの廃棄につながりかねない」と懸念する。医療従事者の奪い合いになり、市として打ち手を確保できるのか不安材料もあるという。

 厚生労働省は4月下旬、64歳以下の対象者に対し、接種券を6月中旬から発送するよう全国の自治体に通知。県内では上天草市と天草市が6月下旬から順次発送予定で、五木村も61~64歳に集団接種の意向調査を進めている。(河内正一郎)