自分の息のニオイが気になる!? マスク生活でマウスウォッシュ市場が伸長

電動歯ブラシや洗口液を活用した口腔ケアに注目が集まっている

コロナ禍において歯科の受診控えなどにより、虫歯や歯周病を悪化させるケースが増えている

「マスク生活で口内が乾燥しやすくなると抵抗力が落ち、在宅勤務でながら食べが多くなれば口腔内pHが酸性になり歯のカルシウムが溶け、虫歯の原因となります」と警鐘を鳴らすのは、東京国際クリニック(東京・千代田区)の清水智幸歯科院長。

マスクをすることで自分の息のにおいを気にする人も増えている。薬用マウスウォッシュ「リステリン」を展開するジョンソン・エンド・ジョンソンの調査によると、日本における洗口液の成人常用者率は39%、タイ68%、米国58%などに比べると低かった。だが、コロナ後は口腔衛生への関心が向上し、2020年の洗口液市場は直近4年間の年平均成長率を上回る4・8%増を記録したという。

口呼吸問題の第一人者であるみらいクリニック(福岡市博多区)の今井一彰院長は「口腔ケアを怠ると全身の疾患に影響を与え、次の病気を引き起こします。最も簡単な口腔ケアはマスク着用時に口を閉じること。唾液を活用して口内細菌の増殖を抑えることを心掛けましょう」と話す。

口腔ケアは歯科医によるプロケアと日々のホームケアの両立が重要だが、特にコロナ禍で市場をけん引しているのがホームケアの関連商品だ。

歯科医歯科医使用率1位の電動歯ブラシ「ソニッケアー」は動かし過ぎなどを感知する最上位モデル、マウスウォッシュ市場シェア1位の洗口液「リステリン」はココナッツの限定フレーバーを投入するなどして潜在需要を掘り起こしている。なお、手磨きは細かく動かし、電動歯ブラシは動かさないのがポイントだ。

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