大友進氏が緊急解説! “変化球投手”西武・平良はなぜ攻略できない?

どこまで記録を伸ばす?

西武・平良海馬投手(21)が10日のDeNA戦(メットライフ)、5―3の9回に6番手として登板。一死から桑原に安打を許すも続く伊藤光を併殺に打ち取り1回打者3人を13球で無失点に抑え、開幕からの連続無失点を31試合に伸ばし2016年に中日・田島慎二がマークしたプロ野球記録に並んだ。

平良は「(プロ野球記録に)並んだので更新したいです。もし抑えたら花をもらえるというので意識しました。いつも通り投げられてよかったです。皆さんから『おめでとう』といわれて嬉しいです」と泰然自若。そんな怪腕の強みについて西武OBで本紙評論家の大友進氏は「バッターに自分の間でスイングをさせない特有のフォーム」を強調する。

平良の代名詞といえば、超高速クイックスローから繰り出される最速160キロの剛速球。しかし、今季の平良は全投球のうちの62%がスライダー、カットボール、チェンジアップの変化球。ストレートの割合はわずか38%に過ぎない。この試合でも全13球のうちストレートは4球だった。

それでも相手打者は今の“変化球投手”平良を打ち崩すことができない。なぜか? 大友氏は「あのクイックに対して球種にはヤマを張れないと思う。仮に変化球に張った場合はストレートには完全に立ち遅れてしまう。必然的に変化球割合が多いとしてもストレートのタイミングで待つしかなく、多くの打者は(球種を)絞り切れないのが実情なのでは」と分析。その投球割合の主体がストレート、変化球のどちらだろうと打者を自分の間合いでは待たせない平良独自の「高速クイック投法」が勝負を常に優位に運んでいるという。

連続無失点試合のプロ野球記録は2006年に藤川球児(阪神)がマークした38試合。「超えられたら超えたいですし、一試合ずつ頑張ります」と普段と変わらず淡々とコメントした平良はどこまで記録を伸ばせるのか。

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