苦境の若虎中継ぎを救う!〝オーバーエージ枠〟で岩田に一軍昇格待望論

頼れるオジサン・岩田稔の出番だ!

阪神は10日の日本ハム戦(札幌ドーム)に4―2で勝利し、交流戦初の同一カード3連勝。2位巨人とのゲーム差を今季最大の6にまで広げた。

先発のアルカンタラが7回途中を無失点と、今季最良の投球内容を披露したが、7回無死の場面で左足首に打球を直撃させ負傷降板。馬場―藤浪―スアレスによる3投手の継投にスイッチし、僅差のゲームを勝ち取った。

時期的にもシーズンの疲労が目立ち始める季節だけに、登板数が多い中継ぎ陣は日々苦しいやりくりを強いられている。特にリリーフエース・岩崎が蓄積疲労で登録を抹消される中、中継ぎ左腕の頭数不足は深刻だ。現状でブルペン入りしているのは岩貞と及川の2人のみ。開幕から勝ちパターン継投の一角を期待されてきた岩貞は防御率5・21と低調。及川も成長こそ著しいが、まだまだ高卒2年目の20歳。若武者に背負える荷物の量は限られている。

そんな苦境を救うべく〝オーバーエージ枠〟での一軍昇格を待望されているのが37歳のベテラン左腕・岩田稔投手だ。今季はここまで主にファームで先発投手として調整中。6試合に登板し、防御率2・45と投球内容も安定している。球団関係者も「現状で阪神のブルペンに入っている日本人投手は29歳の岩貞を筆頭に全員が20代と若い。今こそ豊富な経験と、老練な投球術を持つ岩田に昇格してもらい、中継ぎ陣を救ってほしい」と〝岩田待望論〟を強調する。

この日に行われたウエスタン・広島戦(由宇)こそ6回途中を4失点とやや崩れてしまったが、〝頼れるオジさん〟の甲子園帰還を切望する声は多い。チームが集団コロナ禍に見舞われた昨年10月1日にも、急きょ一軍に昇格し中日戦(甲子園)で7回途中を無失点。勝利投手に輝きチームを救った実績もある。

その際には登板後、自らを「消えそうで消えない男」と冗談交じりで表現したプロ16年目の背番号21。当然ながら、まだまだ消えられたら困る。

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