経済産業省から、外国籍社員への対応のポイントを示した動画教材が公開されました

外国人スタッフの々が日本企業で活躍する姿は、今や当たり前の光景となってきました。
高齢化や少子化による働き手の減少が深刻化している日本では、外国人の雇用が事業を成長させるための必要不可欠な存在となりつつあります。
この記事を読んでいる方の中にも、外国籍の方と一緒に働いているという人は少なくないのではないでしょうか。

しかし同時に、職場における日本人社員と外国籍社員の言葉の壁や文化の違いによる「ミスコミュニケーション」が問題になっているところも多いようです。
今回は、経済産業省が公開した動画教材をご紹介します。

外国籍社員とのコミュニケーションの参考になる動画教材などを経済産業省が無料で公開

経済産業省は、業務の指示や受け答えのほか、評価・フィードバックで生じるミスコミュニケーションなどについて紹介し、その解決策が分かる動画を公開しました。
動画はYouTubeで公開されていますので、誰でも気軽に無料で見ることができます。

【経済産業省公式のYouTubeチャンネル】
「職場でのコミュニケーションを考える」動画教材

また動画だけでなく、動画を使った学習の流れ・対話を促すグループワークの例などがわかる活用ガイドも同時に公開されています。
この動画を最大限に活かすことができる便利なワークシートです。
ぜひご活用ください。

◆経済産業省「『日本人社員も外国籍社員も 職場でのミスコミュニケーションを考える』動画教材及び学びの手引きを策定しました」

実際に動画を見てみて実感した、教材としての使いやすさ

2021年6月4日現在で、全49本の動画がアップされていました。
実際に全ての動画を見て感動した点は、教材としてとても使いやすい動画の構成になっていたことです。
その3つのポイントをお伝えしたいと思います。

1.「問題編」と「解決編」の2本構成になっていること
2.1本の動画が全て1分以内
3.テーマが身近でどの会社でも当てはまるような内容

1.「問題編」と「解決編」の2本構成になっていること

1つのテーマに対して、問題編と解決編という2本の動画に分かれています。
1本の動画で問題提起と解説を行い、完結させるのではなく、まず問題編の動画を見て、どこが問題なのかスタッフ同士で話し合う時間がとれるようになっています。
そして十分協議を行ったあとに解説動画を見る、ということができるように、教材としてとても使いやすい動画になっていると感じました。

2.1本の動画が全て1分以内

1分以内というとても短い動画なので、使い勝手がとても良いです。
さまざまなミーティングの場、衛生委員会の場や研修などで、その職場に合った話し合いを行いながら、ひとつの議題として取り入れることができます。
他のテーマも話し合わなければならない貴重な時間の中で、1分以内の動画は、複数回の研修や会議に分けて使えるので、とても使いやすいのではないでしょうか。

また研修用動画としても、忙しい業務の中で開いた時間に少しずつ見ることができますので、研修を行う側にとってはもちろん、研修を受ける側にとっても大きなメリットとなります。

3.テーマが身近でどの会社でも当てはまるような内容

「5分前行動という考え方」
「定時退社するということ」
「チームで仕事をするということ」
といったような、どの職種でも当てはまるテーマになっています。

昔からの日本の社会人としての考え方が、外国籍の方には当てはまらないことはたくさんあります。
そういった身近なテーマが散りばめられた動画は、普段仕事をしていく中で「あるある!」と誰もが納得させられる内容となっています。

一番印象に残った動画

私が動画を見て印象に残ったのは「1.3 チームでの仕事(解説)」です。

外国籍のスタッフの方が、自分の仕事が終わったということで定時に帰ります。
その姿を見て、同じチームで働く日本人スタッフが「自分の仕事が忙しいから手伝って欲しかったのに、帰ってしまった……」とガッカリする、というシーンです。

このシチュエーション、日本人の多くの人は「他の人の仕事が大変そうだったら手伝うべきだ」と考える人が多いのではないでしょうか。
私もそう考えます。

しかし、その動画では「海外では、誰がどの仕事をするかはっきりしているため『お願いされていないのにほかの人の仕事をとるのはよくない』という考え方があります」と解説されていました。
集団主義的な日本人、個人主義的な外国人といわれるように、「みんなで助け合う」という日本人にとって当たり前の感覚が、外国籍の方にとっては逆に迷惑だということもあるということを学びました。

また、全てのテーマの動画を見て思ったことは、このコミュニケーションエラーは、外国籍の方だけでなく、日本人同士でもじゅうぶん起こり得るエラーであり、日本人しかいない企業にとっても大変参考になる動画だと思いました。
価値観の違い、考え方の違いは、国籍関係なく様々なシチュエーションで発生します。
そんな時に、他者の価値観を受け入れる姿勢、曖昧な指示でなく、しっかりと自分の意図を伝えるということの大切さを感じました。

外国籍のスタッフがいる企業の担当者さまはもちろん、外国籍のスタッフが居ない日本人だけの企業さまも、ぜひこの動画を参考にして円滑なコミュニケーションを社内に広めましょう。

投稿 経済産業省から、外国籍社員への対応のポイントを示した動画教材が公開されました産業保健新聞|ドクタートラスト運営 に最初に表示されました。

© 株式会社ドクタートラスト