インテルをイタリア・セリエA優勝に導いた直後に退任することが決定したアントニオ・コンテ監督。その後トッテナム・ホットスパーからのオファーを受けて交渉していたとのことだが、それはすぐに破談となったという。
今回コンテ氏は『Gazzetta dello Sport』のインタビューに応え、それらの状況についての質問に答えている。
アントニオ・コンテ
「私が言えるのは、自分のプロジェクトは決して変更されることはなかったという点だ。しかし、今それについて議論するのはナンセンスだよ。
私は論争を引き起こしたり、人事について話したりしたくはないのだ。
スティーヴン・チャン会長のことは尊敬しているし、自分を監督として選んでくれたことに感謝している。インテル、クラブ、そしてそのファンのことは大好きだ。
シモーネ・インザーギは非常に才能があって野心的なコーチだ。インテルの幸運を祈っているよ。
(マッシモ・モラッティ元会長が「コンテはインテルへの愛着と挑戦への欲求が欠けている」と批判したが)
彼の言葉が私を憤慨させたことは否定できない。彼はスマートで上品な男で、インテルの歴史を代表している人物だ。
ただモラッティに電話をかけたところ、あの言葉は彼の本当の考えを反映したものではなかったとのことだった。彼は謝罪していたよ」
トッテナム・ホットスパーからは年間1500万ポンド(およそ23.2億円)という巨額の給与を打診されていたと伝えられている。しかしコンテ監督はお金に執着することはなく、プロジェクトへの妥協は一切しないと語った。
アントニオ・コンテ
「私のことを知っている人ならば誰でも、コンテは監督を務めたすべてのチームに強い絆を持っていることを知っているはずだ。行く先々ですべてを捧げている。
全力を尽くして疲れ切ったチームと選手を残していく監督もいる。
しかし私はいつも、若く成長への意欲が高い選手たちと勝利のメンタリティを持って団結したチームを残して退任していくのだ。
自分の価格は市場が決めるものだ。もしお金に執着していたら、昔の自分のままでいただろう。妥協を受け入れて新しい契約を獲得するというね。
そうではなく、私はプロジェクトを探している。何かしら私を納得させられないものがあるのであれば、家にいる。それはビジョンや誠実さ、原則的なことについてのものだ。
概して私はチャレンジが好きだ。キャリアを通じて多くのチャレンジを行ってきた。
私が監督を務めたトップレベルのクラブも、就任した時は決して優勝候補筆頭だったわけではないからね。
ただ、納得できないことがあれば、どんなにお金をもらっても受け入れたくはないんだ」
クラブチームを率いた過去7シーズンのうち5シーズンでリーグ優勝を果たしたという凄まじい成績を持っているコンテ氏。次に「納得できる」プロジェクトを提示するクラブはどこになるだろうか。