核廃絶へ「一歩一歩進まねば」 サーロー節子さん 半生描く映画公開 27日から県内上映

オンラインで取材に応じたサーロー節子さん

 カナダ在住の被爆者、サーロー節子さん(89)は10日、自身の半生を追ったドキュメンタリー映画「ヒロシマへの誓い サーロー節子とともに」が長崎県内4会場で上映されるのを前に、オンラインで報道陣の取材に応じた。今年1月発効の核兵器禁止条約について「まだ第一歩。廃絶までどれくらい時間がかかるか分からないが、われわれは一歩一歩進まなければならない」と語った。
 サーローさんは13歳の時に広島で被爆。その後、カナダ人と結婚し移住した。世界各地で被爆体験を英語で語り、活動を共にする非政府組織(NGO)核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)のノーベル平和賞授賞式でスピーチした。
 核禁条約を巡っては、批准していない日本政府の姿勢を批判し「被爆者の思いを伝え、強く働き掛けなければいけない」と述べた。
 長崎の人たちに向けては「被爆者が生きている間に、ぜひ共に時間を過ごし話を聞いてほしい。被爆者の皆さんには、体験だけでなく、自分がどう生きてきたか、どんな思いを持っているかを語ってほしい。それを記録することは後世のためになるはず」と話した。
 映画を製作した米国在住の被爆2世、竹内道さんもオンラインで「原爆を体験していない人に、何ができるか考えるきっかけにしてもらいたい」と語った。
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 上映日程と会場は▽27日=長崎市民会館▽7月11日=島原文化会館▽18日=佐世保市コミュニティセンター▽25日=諫早文化会館。各会場とも午前11時と午後2時の2回上映。一般1200円(当日1500円)、高校生以下800円(当日のみ)。問い合わせは県映画センター(095.824.2974)。

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