大谷の進化を地元紙が分析 球速は低下したが制球力アップで投球数が減少

投手として進化を続ける大谷(ロイター=USA TODAY)

進化は数字が物語っている。エンゼルス・大谷翔平投手(26)の今季9度目の先発登板となる11日(日本時間12日)のダイヤモンドバックス戦を前に、地元オレンジカウンティー・レジスター紙が「大谷が投手として新たなレベルに到達した方法」との見出しで、今季初登板からの4試合と最近4試合での投球の変化を徹底分析した。

同紙が注目したのは球速の低下と制球力の向上で「今季初戦で100マイル(約161キロ)を9球、最速101・1マイルの直球を投げたが、2目戦以降は100マイルを超えていない。その代わりに、もっと大事な『ピッチング』をしている」とした。

大谷の今季1~4戦目での直球の平均球速は96・8マイル(約156キロ)。与四球率(1試合9イニング投げた場合の平均与四球数)は9・2で、ストライク率40・2%(大リーグ平均49・2%)だった。最近4試合では直球の平均球速が94・4マイル(約152キロ)と2・4マイルも落ちているが、与四球率は2・7に激減。8戦目では大リーグキャリア20試合で初となる無四球を記録し、ストライク率が48%に上昇した。

その要因として、同紙はカットボールの投球率に注目。前半4戦の7・6%から後半4戦では15・2%に上げたことで、制球力の向上と合わせて1人の打者に投じる球数が平均3・94球から3・57球に減少したとの見立てだ。実際、前半4試合で一度も6回を投げ切れていないのに対し、5戦目以降では5月11日のアストロズ戦で7回、同28日のアスレチックス戦と6月4日のマリナーズ戦で6回を投げている。

同紙はバッテリーを組む捕手のスズキの「大谷は運動能力と各登板で増える知識によって、さらにうまくなると思う。それだけスペシャルな才能だから、どのくらい良くなるかなんて予想できない」とのコメントも紹介した。

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