ソフトバンク・周東“足のスランプ”に工藤監督はエンジョイのススメ&王会長もエール

周東は代走で出場も走る機会はなかった

ソフトバンクの周東佑京内野手(25)が交流戦に入り“足のスランプ”に陥っている。

昨季はシーズン途中から1番に定着。驚異の成功率で50盗塁を決めてタイトルを獲得した。13試合連続盗塁の世界記録保持者でもある。ただ、今季は打撃不振に苦しみ交流戦初戦の5月25日の中日戦(バンテリンドーム)を最後にスタメン出場から遠ざかっている。

鬼脚があるだけに代走の切り札として起用されているが様子がおかしい。5月26日の中日戦で自身初となるけん制死を食らうと、1日のDeNA戦(横浜)ではゲームセットとなる走塁死。8日の広島戦(ペイペイ)で同点の9回に痛い盗塁死をすると、9日の同カードでも再びけん制死した。

あの周東がなぜなのか。今季はステージが上がり主力としての定着が期待されていた。球団OBは「足にスランプはないとか言うけどそれは違う。足の速い選手が言うのは盗塁に大事なのは行く勇気、思い切り。思うような結果が出ない焦りもあり、悪い方向に出てしまってるんじゃないか」と心配そうに話した。

周東は10日、志願してペイペイドームでのナイター前にウエスタン・中日戦(筑後)に出場した。ここに視察に訪れていたのが王貞治球団会長だった。昨季のリーグ優勝時にはMVPに指名したほど。この苦悩を乗り越えた先に…との思いもあるのだろう。「一番この時期が難しいところでね。ここを抜ければね」とエール。一軍だろうと二軍だろうとドンドン出て。今日は(前日まで二軍もナイターで)試合が昼で良かったよ」とうなずいた。

また、工藤監督も「周東に言ったのは『お前がアウトになるなら誰出してもアウトだから気にするな』と。『思い切ってやりなさい』と。楽しくやらないとね。こういう時だからこそ暗くなってはダメ」とエンジョイのススメを出した。希代のスピードスターが復活のノロシを上げられるか。

© 株式会社東京スポーツ新聞社