Wソックスの巧打の新人二塁手・マドリガルが故障で長期離脱へ

日本時間6月11日、ホワイトソックスは新人ながら3割を超えるハイアベレージを残していた正二塁手のニック・マドリガルを60日間の故障者リストに登録したことを発表した。マドリガルは日本時間6月10日のブルージェイズ戦の7回裏にサードゴロを打って一塁へ全力疾走した際に右足を負傷。自力で歩くことができず、コーチとトレーナーの肩を借りてフィールドから去った。右ハムストリングの肉離れと発表されており、長期離脱が決定した。

リック・ハーンGMによると、マドリガルは少なくとも6週間は野球の活動を行えない見込みだという。手術を受ければシーズン終了となる可能性が高いが、ハーンは「手術を受けることが決定しているわけではない」とコメント。さらに「専門的な話になってしまうが、ハムストリングの上部には3本の腱が付着している。すべてが断裂していれば手術は避けられないが、ニックの場合は1本が完全に断裂、もう1本が部分的に断裂という状態だ」と語っており、手術を受けずに回復を待つ可能性も残されているようだ。

今後はマドリガルの状態を見ながら手術を受けるのか、手術を回避して今季中の復帰を目指すのかを判断していくことになるが、ハーンいわく、方針決定の際に重要となるのが「マドリガルが完全に回復し、これまでと同じような選手に戻るためには何がベストか」ということだ。マドリガルはメジャー2年目の24歳。選手生活はこれからも長く続いていくため、ハーンは「最速の復帰」よりも「完全復活」を重視する方針を明言している。

チーム再建を終えて勝負モードに突入しているホワイトソックスは、数多くの若手有望株を抱えているが、正左翼手のエロイ・ヒメネスはオープン戦で左胸筋腱断裂の重傷を負って長期離脱中。正中堅手のルイス・ロバートも5月上旬の試合で右股関節を痛めて以降、欠場が続いている。これに加えてマドリガルの長期離脱が決定し、3人もの有望な若手レギュラー選手を同時に欠くという緊急事態となっている。

マドリガルは今季ここまで54試合に出場して打率.305、2本塁打、21打点、OPS.774をマーク。コンタクト能力が非常に高い選手で、空振りや三振の少なさには定評があり、今季215打席でわずか17三振しか喫していない。ホワイトソックスは当面のあいだ、レウリー・ガルシアやダニー・メンディックが空席となった二塁の穴を埋めることが予想されている。

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