ランクルの盗難対策に指紋認証!? トヨタ 新型ランドクルーザー300の新しいプッシュエンジンスタート機能に注目

2021年6月10日に世界初公開されたトヨタの本格四輪駆動車「ランドクルーザー」(ランクル300)。ランクルと言えば、近年盗難被害が多い事でも話題を呼んでいる。国内のみならず海外市場でも人気が高く、盗難後輸出されてしまうこともあるようだ。そんな中、新型では盗難対策として指紋認証機能を搭載するのだという。ロシアで発表されたこの新たな策についてご紹介しよう。

トヨタ 新型ランドクルーザー300[2021年6月10日(木)世界初公開] [photo:トヨタ自動車]

14年ぶりのフルモデルチェンジで全てが刷新された新型ランドクルーザー300

2021年6月10日にワールドプレミアを行ったばかりのトヨタ ランドクルーザー300は、およそ14年ぶりのフルモデルチェンジとなる。2021年夏以降世界各国で発売される。

70年に渡り代々受け継がれてきた「信頼性・耐久性・悪路走破性」をさらに向上しながら、新開発のフレーム式TNGA GA-Fプラットフォームを採用。軽量化を図りながら剛性を高めた。

そのほか新開発のv6ツインターボガソリン・ディーゼルエンジンなど、見どころ満載の内容となっている。

盗難被害ワースト1位の不名誉な称号もおさらば! 新型で採用される「指紋認証機能」は新たな切り札となるか

世界初公開されたばかりで、販売価格やボディサイズの寸法といった詳細情報はまだ明らかにされていないトヨタの新型ランドクルーザー300だが、ロシアのトヨタ法人から発表されたプレスリリースには気になる一文が記されていた。

「ロシア独自のオプションとして指紋認証機能を備えた」というのだ。

車両盗難ワースト1位の常連“ランクル”に根本的な対策か

日本損害保険協会が2021年3月15日に発表した「自動車盗難事故実態調査」の中で、車名別盗難状況が公開されている。車名別盗難状況ワースト1位はトヨタ ランドクルーザー2位はトヨタ プリウスとレクサス LXだという。LXはランドクルーザーの兄弟車である。不名誉なランクインだが、ランクルシリーズの人気の高さがこんなところでも明らかになった。

今のところ「ロシア独自のオプション」だが、日本仕様への採用も大いに期待したい

もちろんトヨタでも手をこまねいていた訳ではなく、イモビライザー(独自のIDを与え車両と一致しないとエンジンが始動しない機能)を備えたスマートキーの採用など盗難防止策に取り組んできたが、これを解除する装置が犯罪者側で出回るなど、常に対策との格闘が続いている状況だ。

プッシュスタートボタンに指紋認証機能がついた新型ランドクルーザー300(ロシア仕様)

ロシアトヨタのプレスリリースを読み進めると、新型ランドクルーザー300には独自の指紋認証システムを備えたボタンを押すことでエンジンが始動出来る仕組みがとられたという。

車両の運転を許可された全員の指紋を正確に識別することが可能で、シート位置、ステアリングホイール、エアコンの設定、ミラー、ヘッドアップディスプレイの角度など、全ての運転者の設定を保存することも可能となっている。

「ロシア独自のオプション」という一文が気になるところではあるが、盗難被害が多いここ日本でも、是非欲しいと願う声は大きいだろう。2021年夏と言われている日本仕様の発表には大いに期待したい。

[筆者:MOTA(モータ)編集部]

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