少女に横浜の児童相談所の職員がわいせつ容疑で逮捕 苦悩深める関係者「啓発続けるしか」

再発防止策の検討を進める横浜市中央児童相談所=横浜市南区

 横浜市中央児童相談所の職員2人が一時保護所を退所した少女に性的行為をしたとして県警に逮捕され、関係者が苦悩を深めている。

 職員は入所児童との個人情報の交換や保護所外での交流を禁じられていたが、逮捕された2人はこの規則を破っていた。

 ルールを守らないケースへの備えは容易でなく、再発防止策の検討を進める同児相も「職員への啓発をこつこつ続けるしかない」と話す。

 一時保護は児童福祉法に基づく措置で、親の虐待や育児不安などで保護が必要な子どもたちを一時保護所などに短期間入所させる制度。

 同児相によると、保護された児童は原則、24時間所内で生活する。学習支援や生活指導のほか、必要に応じて心理的なケアなどの支援も受ける。

 同性の職員1人が担当に付くが、自由時間やグループ活動などでは異性の職員と交流する機会もある。

 入所児童の支援に当たる職員が一番気を配るのが、特定の児童を特別視しないことという。感情移入してしまう関係性はその子の支援でプラスにならないばかりか、施設の運営上も支障があるためだ。

 「保護所の職員は児童に深入りしてはいけないが、ドライ過ぎても関係が築けない」と語るのは同児相の副所長。付かず離れずの距離感を保つよう研修などで職員に再三指導し、職員間でも日々の接し方で気になった点があれば、互いに注意し合う仕組みを導入している。

 児童との個人情報の交換や所外での面会は禁じ、街中で会ってもあいさつ程度にとどめるよう求めている。

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