中国、台湾市民に本土でのワクチン接種提案 影響力拡大が狙いか

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[北京 11日 ロイター] - 中国国務院の台湾事務弁公室は11日、台湾市民は中国本土で新型コロナウイルスのワクチン接種を受けることができると述べた。本土の感染予防策を厳守することが条件とした。

同弁公室の報道官によると、5月31日時点で約6万2000人の台湾市民が本土でワクチンを接種した。

中国は台湾に対し、再三にわたってワクチン送付を申し出ているが、台湾は中国製ワクチンの安全性に懸念を示しており、使用を許可していない。

中国台湾事務弁公室は声明を発表し、2種の中国製のワクチンが世界保健機関(WHO)から緊急使用許可を得て90カ国以上で使用・承認されており、その安全性と有効性を示していると述べた。

その上で台湾政府に対し「本土のワクチンの台湾への送付にかかる人為的な障害を速やかに取り除くとともに、多くの台湾市民が安全で効果の高い本土のワクチンを受けられるようにする」ことを求めた。

台湾の人口2350万人のうち、少なくとも1回のワクチン接種を受けた人は3%にとどまっている。

ただ、中国の提案が台湾市民に受け入れられるとは考えにくい。台北の国立政治大学が先月行った世論調査では、ほとんどの人が中国製のワクチン接種を受けようとは思わないとの結果が出ている。

台湾の治安当局者はロイターに対し、今回の申し出は、台湾の世論を動かすための中国による影響力拡大キャンペーンの一環だと語った。