ライオンズの若き龍・綱島龍生選手の活動報告 〈17〉1軍再昇格 一本出す

 ライオンズ選手の新型コロナウイルスへの感染が確認された影響もあって、5月28日に代替選手として今季2度目の1軍昇格を果たした綱島龍生。「こういう状況だったので、いつでもいける準備はしていました。連絡を受けた時は〝絶対に結果を出そう〟と思いました」と、昇格の知らせを聞いた時の心境を力強く振り返った。

 ファームでは、打席に立った時のイメージや、もっと良い打ち方ができるような練習を重ね、「いい準備ができました」とうなずく。

 打撃では、特に左肘の使い方など細かい部分を意識して練習に取り組んでいた。コンタクト時に左肘が自然と真後ろに流れていくのが〝正しい〟形。これができれば、飛距離や球を捉える確率が格段に上がると気が付いた。「初めてやった時は違和感がありましたが、捉えた時の打球が全然違ったことに驚きました」と、新たな感覚をつかんでの昇格だった。

 しかし、昇格初日はいきなりの出番をつかむも反省が残った。代走で途中出場し、2点リードで迎えた八回表から二塁の守備に就いたが、九回に阪神・近本選手の高く弾んだ二ゴロを捕球した後、握り替えたことで内野安打にしてしまったことが悔やまれる。「自分の技術不足です。一塁に投げていたらアウトを取れたかもしれない」。結果的にそこから5失点で大逆転負けを喫した。

本拠地の阪神戦に出場した綱島(球団提供)

 そして3点のリードを許して迎えた九回裏。二死で打席に立った綱島は、スアレス投手の初球と2球目をファウル、3球目のボール球を見送り、4球目の変化球をファウルにして迎えた5球目。高めの直球に手を出し三振に倒れ、試合終了となった。

 「最後は相手投手がクイック気味に投げたことに驚いて手を出してしまいました。初球のストレートを一発で捉えられるようにならないと、なかなかヒットは打てないなと実感した打席になりました」と反省を口にした。

 ここまで1軍の打席はいずれもわずか2球で追い込まれてからの三振。「試合前の打撃練習では、1球目からしっかり仕留めるということをずっと意識してやっているのですが、今後は確率高くはじき返すことも意識して練習していきます!」

 引きずっても前に進めないことは自分が一番分かっている。切り替えて、次の戦いのために備えるその姿から少したくましさが増したように思える。階段を一つずつ上る背番号63から待望の1本目は、そう遠くないと感じる。(西武ライオンズ広報部 亀田礼子)

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