【東京五輪】スポンサーはブランドイメージ低下の懸念 〝百害あって一利なし〟の苦境に

おいしい思いをするのはIOCだけ?(写真はバッハ会長、ロイター)

新型コロナ禍で開催を強行しようとしている東京五輪のスポンサー企業に、ブランドイメージ低下の懸念が出てきている。

英経済紙「フィナンシャルタイムズ」は「日本のスポンサーは、東京五輪でブランドが傷つくことを恐れている」と題してスポンサー企業の現状を特集した。

「現状では当初期待していたマーケティング効果を得るのは難しい。2通りのキャンペーンを用意しておいて、どちらを使うかは直前に決める企業もある」と各企業は様子見をしている段階と指摘。広告会社の幹部は「スポンサー企業は五輪反対の声が収まるのを待っている」と今後の方針を語ったという。

また複数の日本のスポンサー企業が、自社の広報活動に五輪のイメージを使用した場合に「ブランドイメージに損害を与える可能性があるか」とマーケティングコンサルタント会社に調査を依頼。同紙は広告業界関係者の話として「五輪のスポンサーは当初予想していた広告やマーケティングの効果を得るのが難しいという事実を知ることになった。企業は東京五輪のスポンサーになることによってブランド価値を高めたかったが、スポンサーという事実自体をアピールすることも難しくなっている」。

さらに「あるスポンサー企業は五輪との関連性を強く打ち出しても、ほとんど利益がないとコンサルタントから助言を受けている」と併せて指摘しており、もはや東京五輪のスポンサーであることは〝百害あって一利なし〟の苦境に陥っていると分析した。

そのうえで「外国のスポンサーも五輪への反対が収まっていない場合、今回の東京五輪はブランドに害を及ぼす可能性があると懸念している」と海外スポンサー企業もサジを投げている状態だ。

大金だけ出してうまみは皆無。結局〝おいしい〟思いをするのは国際オリンピック委員会(IOC)だけのようだ。

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