LMP2のJOTAが一番時計。アルピーヌ、トヨタ2台が続く/WEC第2戦ポルティマオ FP1

 WEC世界耐久選手権は6月11日、ポルトガル南部のポルティマオ(アルガルベ国際サーキット)で走行初日FP1のセッションが行なわれ、LMP2クラスのJOTA38号車オレカ07・ギブソン(ロベルト・ゴンザレス/アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ/アンソニー・デビッドソン)が総合トップタイムをマークした。

 セッションに先立ち、エントリーリストの変更が明らかとなった。LMP2クラスのユナイテッド・オートスポーツ22号車オレカ07・ギブソンをドライブする予定だったファビオ・シェーラーがCOVID-19の検査において陽性反応を示したことからポルティマオ戦を急遽欠場することとなり、代わりにウェイン・ボイドが起用されることになった。

 金曜日9時36分にスチュワードが判断したところによると、過去48時間以内にシェーラーは2度、COVID-19の検査で陽性を示したことがチームから報告されたという。

 ボイドはELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズのLMP3チャンピオンであり、今季もユナイテッド・オートスポーツから同カテゴリーにエントリーしている。WECはこれがデビュー戦となる。

■グリッケンハウスはトップから約1秒おくれでデビュー

 90分間のFP1のセッションは現地時間11日15時15分、気温25度/路温51度というコンディションのもとスタートした。

 デビューレースとなるグリッケンハウス・レーシングの709号車グリッケンハウス007 LMHは、まずはリチャード・ウェストブルックがステアリングを握ってコースイン、周回を重ねていった。

 開始10分過ぎ、トヨタGAZOO Racing8号車GR010ハイブリッド(セバスチャン・ブエミ/中嶋一貴/ブレンドン・ハートレー)が1分33秒800でトップに立つ。

 開始30分過ぎにこれを上回ったのが、ノンハイブリッドLMP1でハイパーカークラスに参戦するアルピーヌ・エルフ・マットミュート。36号車アルピーヌA480・ギブソンは、ニコラ・ラピエールの手によりタイミングモニターの最上段に躍り出る。

 その後はラピエールがわずかにタイムを更新するなか、トヨタの7号車(マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ・マリア・ロペス)も3番手につける展開となったが、開始1時間12分というところでLMP2クラスのJOTA38号車をドライブするダ・コスタが1分33秒752で総合トップに浮上した。

 なお、ユナイテッド・オートスポーツ22号車のフィリペ・アルバカーキがIMSAデトロイト戦出場のため今レースを欠場していることにより、ダ・コスタは今回唯一の地元・ポルトガル出身ドライバーとなっている。

 セッションは終盤、LMGTEアマクラスのAFコルセ54号車フェラーリ488 GTE EvoコースオフによってFCYが導入され、残り数分でグリーンフラッグを迎えたが、このタイミングではとくにタイム更新をするマシンはなく、JOTAが最初のセッションをトップタイムで終えている。

 アルピーヌが総合2番手に続き、トヨタの2台が8号車、7号車の順で続いた。なお、8号車のベストタイム(1分33秒800)はブエミ、7号車(1分33秒807)は可夢偉によるもの。両者の差はわずかだ。

 注目のデビューレースを迎えたグリッケンハウス・レーシングの709号車グリッケンハウス007 LMHは、JOTAから約1秒遅れの総合12番手で最初のセッションを終えている。

 LMP2クラスの2番手は、トヨタ7号車から0秒172おくれのインターユーロポル・コンペティション34号車オレカ。続いて、ドラゴンスピードUSAの21号車オレカとなっている。

 ポルシェ2台、フェラーリ2台の争いとなっているLMGTEプロクラスは、ポルシェが92号車、91号車の順でワン・ツー。なおポルシェは今回、ドライバー3名体制を採っている。

 LMGTEアマクラスは、デンプシー・プロトン・レーシングの77号車ポルシェ911 RSR-19がクラストップに。以下、アイアン・リンクス60号車フェラーリ488 GTE Evo、チーム・プロジェクト1の56号車ポルシェ911 RSR-19と続いている。

 日本勢では木村武史が乗り込むケッセル・レーシングの57号車フェラーリ488 GTE Evoが総合31番手。星野敏/藤井誠暢/アンドリュー・ワトソンという布陣で参戦するDステーション・レーシングの777号車アストンマーティン・バンテージAMRは総合32番手で最初のセッションを終えた。

 次のセッションとなるフリープラクティス2は、現地時間12日土曜日の9時35分(日本時間17時35分)から行なわれる。

ドライバー3人体制で2台の911 RSR-19をLMGTEプロクラスにエントリーする、ポルシェGTチーム

© 株式会社三栄