金秀グループ、女性役員30%を目標に「チャンス取り戻す施策」

 金秀グループ(呉屋守將会長)は創業80周年を迎える2027年をめどに女性役員比率を30%とする目標を立てた。3月に設置した女性力推進委員会(松本眞一会長)が答申し、グループとして承認した。砂川久美子委員長(金秀商事副社長)らが11日、那覇市の琉球新報社を訪れ報告した。

 女性力推進委員会はグループ内の役員14人(女性6人、男性8人)が委員を務める。(1)女性のキャリア形成(2)男女ともに働きやすい環境整備(3)1人1人の意識に残るジェンダーバイアスの解消―の3課題をチームに分かれて議論する。まずは創業75周年となる22年に女性役員20%を達成できるよう答申を出していく。

 金秀グループは13年に、社員の女性比率である20%に合わせて課長職以上の幹部職も女性を20%とする目標を立て、16年に達成した。今年3月現在、幹部職の女性は18.5%だが、役員のみでは12.5%にとどまる。「100年企業」を目指す中で女性の力を顕在化させようと、新たに委員会を設立した。

 グループでは、力のある30~40代をグループ内の別会社の社外取締役に起用し、将来の役員候補として育成する「金秀フューチャータスクフォース」を続けている。女性力推進委員会はこのメンバーを全員女性にするよう答申し、5月には13人の女性社外取締役が誕生した。

 砂川委員長は「圧倒的な男性社会の中で女性が得られなかったチャンスを取り戻すための施策。『女性だから』ではなく個々の能力に応じた適材適所だ」と話す。長嶺由智副委員長(金秀鉄工・統括常務取締役)は「女性が働きやすい環境は男性にも良い。女性役員などに身近なモデルができ、女性社員も積極的になってきた」と意義を語った。

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