IR巡る公文書 長崎県不開示に不服 市民団体が審査請求へ

 長崎県と佐世保市がハウステンボスへの誘致を目指すカジノを含む統合型リゾート(IR)に関し、公文書を不開示とした県の決定が不服として、同市の市民団体は11日、近く県に審査請求する方針を明らかにした。
 市民団体は「カジノ誘致問題を考える市民の会」。県が設置した審査委員会は、IRを設置・運営する事業者の1次審査を通過した3者(グループ)を発表している。同団体は審査委員会の1次審査会議の議事録などの公開を求めたが、県は「競争上の地位その他正当な利益を害する恐れがある」「率直な意見の交換もしくは意思決定の中立性が不当に損なわれる恐れがある」として5月21日付で開示しない決定をした。
 市役所で会見した同団体の篠崎正人さんは「どのように審査されたのかは県民が事業の当否を判断する重要な事項。非開示にするのは県民の利益を損なう」と指摘。早稲田矩子代表は「秘密裏に進めなければならない理由があるのか」と疑問を投げかけた。

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