リハビリ組合流のソフトバンク・周東 “いい顔” の理由 育成出身組が「治りが遅い筑後」変革

リハビリ組に合流した周東(中央奥)。手前は牧原大

韋駄天は下を向かない――。ソフトバンク・周東佑京内野手(25)が12日、リハビリ組に合流。明るい表情を見せながら、チューブトレーニングなどのメニューを精力的にこなした。

周東は調整のため出場した10日のウエスタン・中日戦(タマスタ筑後)で守備の際に右手人さし指を痛めた。11日に「右示指末節骨骨折」と診断され、出場選手登録を抹消。競技復帰まで2週間ほどを要す見込みだ。

開幕から打撃の「形」が固まらず、暗中模索が続いた。結果が出ない中で、自慢の足でもけん制死、走塁死、盗塁死が重なり悪循環に陥りかけていた。そんなタイミングでの思わぬケガ。悔しさや焦り、不甲斐なさなど心中は察するに余りある。抹消後、小久保ヘッドコーチは「いいリフレッシュになればいい」と、リハビリ期間を気持ちや考えをリセットする有意義な時間に充ててほしいとメッセージを送っていた。

この日、周東は〝いい顔〟をしていた。「時間をもらったと思って、いい時間にしたい。プラスに捉えて、戻った時にしっかり貢献できるように」。今、筑後のリハビリ組では、千賀や牧原大らが前向きで明るい空気をつくり出している。憂鬱な空気が充満しやすいリハビリ組は、かつて「雰囲気のせいか、なぜかあそこに行ったら、なかなか帰ってこれない」と揶揄されたこともあった。

育成入団から立身出世を果たした男たちは、逆境に強い。千賀、牧原大と同じく周東もその一人だ。最後に「いい顔してましたか?」と尋ねた周東。〝治りが遅い筑後〟は今や昔だ。へこたれない韋駄天が最短復帰を誓い、再スタートを切った。

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