<レスリング>【東京オリンピック代表決定プレーオフ・特集】両選手の声

 

(2021年6月12日、東京・味の素トレーニングセンター)


勝利のあと、すぐに妻へ連絡を入れた高橋=撮影・保高幸子

 ■勝者・高橋侑希(山梨学院大職)の話「ホッとした、という気持ちが大きいです。プレーオフの日程が未定で、いつやるのか、という不安と緊張のほか、(帰国後の)隔離という制限された中での体重調整の問題もあった。世界予選から帰ってきてから張り詰めていた気持ちが続きました。自分でもピリピリしていたことが分かりました。でも、きのうの夜からは緊張感もなく、いつもよりしっかり寝ることができました。

 勝てた要因は、『負けたくない』という気持ちが、これまでで一番強かったことだと思います。こつこつとあきらめずにやれば、結果を出せることを(山梨学院大の選手ほかに)見せたかった。負けたら、それが違うことになってしまう。絶対にあきらめない、という気持ちでやってきた。リオデジャネイロ大会を逃した悔しさが生きたと思う、オリンピックまで1ヶ月半しかない。少し休んで、そのあとギアを上げて悔いのないように臨みたい」


 ■敗者・樋口黎(ミキハウス)の話「いろんな時間を犠牲にしてサポートしてくれたコーチや恩師、会社、友人がいた。一人ではマットに立てなかった。期待に応えられずに申し訳ない気持ちでいっぱいです。減量は一番の課題で、いろんな知識をつけ、減量のトレーナーをつけてもらい、多くに人に励ましてもらった。一人では減量さえクリアできなかったと思う。多くの人への感謝を、死ぬまで忘れずに持ち続けたい。

(2-2の内容でリードした時は)レスリングは6分間の勝負で、最後まで何があるか分からないので油断なく臨んだ。何が及ばなかったか分からないけど、攻めるレスリングはできたとは思う。(計量から試合の間が約2時間。明治杯最終日での実施なら、もっと時間があったが)たら、れば、のことは考えても仕方ない。減量中はネガティブというか、暗い気持ちになっていたので、しっかり心を休め、気持ちの整理をつけて、これからどうするかを決めたい。(高橋に望むことは)今は浮かびません」

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