小田急ロマンスカーと男の子の物語 絵本作者は現役運転士

ロマンスカーの運転士が描いた絵本「ひとりじゃないよ」

 小田急電鉄「特急ロマンスカー」の現役運転士が描いた絵本の発売イベントが12日、ロマンスカーミュージアム(神奈川県海老名市)で開かれた。絵本の販売に加え、ロマンスカー・LSE(7000形)の車内見学ツアーも開かれ、参加した親子は人気特急列車の“乗車”を楽しんだ。

 絵本「ひとりじゃないよ」(大学教育出版、1100円)は、小さな男の子とLSEをテーマにした家族の物語だ。著者はロマンスカー運転士であり、絵本専門士の資格を持つ小林理絵さん(33)。昨年、社内のコンテストに絵本の企画を応募したところ、最優秀賞を受賞し、絵本の制作が決定した。

 「運転していると、列車に手を振ってくれる子どもたちが多い。運転士として見てきた景色を形にしたかった」と小林さん。絵本では車内から見える四季折々の景色や、沿線で遊ぶ子どもたちの姿も描いた。

 発売初日のこの日は、絵本購入者を対象にしたLSEの車内見学ツアーも開催。LSE運転経験のある小林さんも思い出の詰まった車内に立ち、参加者との交流を楽しんだ。

 ツアーに参加した東京都稲毛市の男児(11)は「LSEは家族で乗ったことがあるので、もう一回乗れてうれしい」と笑顔。弟(7)も「ロマンスカー大好き。絵本も早く読みたい」と声を弾ませた。

 小林さんは「大切な人への贈り物にもなる一冊。ぜひ、家族や親子で一緒に読んでほしい」と話した。絵本は14日から全国の書店やオンラインでも販売される。問い合わせは小田急お客さまセンター電話044(299)8200。

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