新型コロナウイルスワクチンを巡り、川崎市は13日、特別養護老人ホームなど福祉施設での巡回接種用ワクチン計6396回分が、保管していた超低温冷凍庫の不具合で使用できなくなり、廃棄すると発表した。接種スケジュールに影響はないが今後、国に補充を要請する可能性があるという。
市によると、ファイザー製ワクチンを保管する冷凍庫はマイナス75度(プラスマイナス5度)に設定されていたが、同日午前8時過ぎ、マイナス70度を上回った場合に起動する警報音が鳴っているのに職員が気付いたという。
データを確認したところ、11日午後2時過ぎから庫内の温度が上昇を始め、12日午後2時20分ごろに8度超を記録。同日午後3時以降に温度が下降し再凍結していた。
同ワクチンは保管温度が8度を超えた場合、2時間以内に希釈し、6時間以内に接種しなければならないとされている。
冷凍庫は職員が常駐していない事務所の一室に設置されており、警報音は11日午後から鳴っていたとみられる。警報音に気付いた職員は、冷凍庫の増設工事のために同事務所を訪れていた。
市は冷凍庫の温度上昇の原因は現時点で不明と説明しており、定期的に温度を確認する体制を整えるとしている。