【新型コロナ】ファイザー製ワクチン保管用冷凍庫に不具合 EBAC社製の294台を回収

 冷凍冷蔵機器を輸入・製造販売するEBAC(東京)は、新型コロナウイルスワクチンの保管用として販売している超低温冷凍庫に、温度が上昇する不具合があったと発表した。すでに販売済みの冷凍庫294台を回収、正常品と交換する。なお川崎市は別に、同社製冷凍庫で気温上昇の不具合があり、6396回分のワクチンを廃棄することになったと発表した。

製造時の溶接に不具合、川崎市では6396回分廃棄

 同社の発表によると、今回の不具合は、直近に使う予定がない場合−60℃以下で保存する必要のあるファイザー製ワクチン向けの超低温冷凍庫。製造時の溶接工程に不具合があり、温度が上昇する可能性があることが確認されたという。対象は294台で、順次正常品と入れ替えるとしているが、すでに同社の冷凍庫を使用していた川崎市で不具合事例が発生してしまった。

 EBACと同じ13日に、川崎市は同社製の超低温冷凍庫内に保管していた新型コロナウイルスワクチン6396回分を破棄すると発表した。ファイザー製ワクチンは直近に使用する予定がない場合ー90℃からー60℃の間で保管する必要があり、使用に向けて解凍する場合、-25~-15℃の冷蔵庫に保管するなら14日間(再凍結可能)、2~8℃で保管するなら1か月間(再凍結不可)保存が可能だが、市の職員が冷凍庫の状況を確認したところ、冷凍庫内は12日に最高9.1℃まで上昇し、以降、再度冷却が始まり13日早朝には-15.2℃を記録していたという。

そのため、市はこの冷凍庫に保管していた6396回分のワクチンを破棄することを決定し、同時に「市民の皆様に御迷惑をお掛けしましたことを深くお詫び申し上げます」と謝罪した。

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