【野球】投打で圧倒し、34年ぶり4度目の栄冠を掴む! 全日本大学野球選手権 決勝 福井工大戦

6月13日(日)全日本大学野球選手権 決勝 福井工大戦 @明治神宮野球場

優勝を果たし喜びを爆発させる選手たち

慶大は初回、正木智也(政4・慶應)が2試合連発の2点本塁打を放ち先制する。4、5、6回にも着実に追加点を重ねると、9回には渡部遼人(環4・桐光学園)の適時打、下山悠介(商3・慶應)の3点本塁打で合計13点を奪った。投げては先発・増居翔太(総3・彦根東)が6回2失点と好投すると、2番手・生井惇己(総3・慶應)も2回を0に抑える好救援。最後は守護神・橋本達弥(環3・長田)が圧巻の三者連続三振に抑え、全日本大学野球選手権優勝に輝いた。

慶	2	0	0	3	1	2	0	0	5	13
福	0	0	0	0	2	0	0	0	0	2

慶大バッテリー:○増居、生井、橋本達-福井

福井工大バッテリー:南大、祝原、●立石、谷-御簗、安田

慶大本塁打:正木2号2ラン(1回)、下山1号3ラン(9回)

慶大出場選手

1	[4]	廣瀬隆太(商2・慶應)
2	[8]	渡部遼人(環4・桐光学園)
3	[5]	下山悠介(商3・慶應)
4	[3]	正木智也(政4・慶應)
5	[DH]	北村謙介(総3・東筑)
6	[2]	福井章吾(環4・大阪桐蔭)
7	[9]	橋本典之(環4・出雲)
8	[7]	新美貫太(政4・慶應)
[6]	朝日晴人(環3・彦根東)
9	[1]	増居翔太(総3・彦根東)
1	生井惇己(総3・慶應)
1	橋本達弥(環3・長田)

ここまで苦しみながらも全国の舞台で勝ち上がってきた慶大。34年振りの頂点を前に一戦必勝で臨んだ決勝戦、初回から正木のバットが火を吹いた。2死一塁で打席を迎え、真ん中低めの直球を振り抜くと打球はバックスクリーン右へ。初回から大きな2点を刻み込んだ。2、3回は無得点だったが4回。今日5番に抜擢された北村謙介(総3・東筑)が左二塁打を放ち、犠打で1死三塁とすると7番・橋本典之(環4・出雲)が犠飛を放ち追加点。その後、相手の失策などもあり得点を重ね、5回までに6点を奪った。

起用に応えて猛打賞を記録した北村

慶大の先発は準々決勝・関学大戦で先発した増居。中2日での登板ながら快投を見せる。140キロ台中盤の直球と緩い変化球を組み合わせ福井工大打線に的を絞らせない。4回まで1安打4三振と隙を与えない投球を披露していたが、疲れがみえてきた5回。1死から四球で走者を許すと、続く1番・佐藤勇斗(環4・福井工大福井)に右二塁打を打たれ失点してしまう。さらに3番・長峯樹生(環4・豊橋中央)にも左翼への適時打を浴びるも、後続を打ち取り2失点で切り抜けた。

増居は6回2失点と試合を作った

4点差となって迎えた6回、安打と四球で2死ながら二、三塁のチャンスを作ると正木が今日3安打目となる右安打を放ち、2点を追加した。先発増居が6回2失点と先発の役割を果たすと、7回からは今大会初登板となる生井がマウンドに上がる。キレの良いスライダーと150キロに迫る速球で打者を圧倒。2イニングを投げ無安打と素晴らしい投球内容で起用に応えた。

気迫の投球を見せた生井

最終回、ここまで8点を取っていた慶大打線の集中力は切れていなかった。簡単に2死を取られたものの、新美貫太(政4・慶應)が左二塁打を放ち、連続四球で満塁。ここで今大会打撃絶好調の渡部遼が右翼への適時打を放つ。この安打で渡部の打率は.563となり首位打者に輝いた。尚もチャンスが続き、打席には3番・下山。初球の甘い直球を見逃さずに一閃。打球は右翼スタンドに飛び込み、慶大に13点目が入った。

下山がとどめの一撃を放った

その裏、慶大のマウンドには守護神・橋本達。いつも以上に気合いが入った投球で打球を前に飛ばさせない。フォークと直球を武器に三者連続三振で締めくくり、見事34年ぶりの4度目の優勝に輝いた。

苦しい戦いが続いた今大会だったが試合を重ねるごとにチームとして成長。決勝の舞台でこれまでの積み重ねが結実した。優勝の要因はやはり総合力の高さだろう。4番の正木が徹底的にマークされ準決勝までノーヒットだったが、出場選手全員が高い集中力で少ないチャンスをものにして勝利を積み上げていった。執拗な内角攻めに苦しんだ正木も準決勝、決勝と大活躍。準決勝では先制の本塁打とシーソーゲームに決着をつける決勝打を放ち、決勝では先制の本塁打含む3安打。チームの優勝に大きく貢献した主砲は最高殊勲選手賞にも選ばれた。

「繋勝」をスローガンに掲げ臨んだ今季。「日本一」という最高の結果でシーズンを締めくくった。次なる目標は秋季リーグ戦優勝、そして明治神宮大会連覇となる。夏を経て迎える勝負の秋。神宮の地で再び慶大ナインが躍動するだろう。

(記事:國本 葉月)

◆最高殊勲選手賞

正木智也(政4・慶應)

2試合連続本塁打を含む猛打賞と大当たり

◆最優秀投手賞

増居翔太(総3・彦根東)

負けない左腕が2戦2勝と躍動

◆首位打者賞

渡部遼人(環4・桐光学園)

脅威の打率 .563を記録した

打撃成績

1	[4]	廣瀬	遊直	右飛	三失	中安	四球	四球
2	[8]	渡部遼	一ゴロ	一ゴロ	二安	右飛	右飛	右安②
3	[5]	下山	三失	四球	一直	四球	遊ゴロ	左中本③
4	[3]	正木	中本②	三併	右安	右安①	四球	中飛
5	[DH]	北村	中安	左線2	三ゴロ	右安①	遊併
6	[2]	福井	右安	投犠打	中安	四球	一ゴロ
7	[9]	橋本典	遊ゴロ	中飛①	左邪犠飛	左飛	投ゴロ
8	[7]	新美	二直	四球	二ゴロ	右飛	左2
9	[6]	朝日	遊ゴロ	左線2	右飛	二ゴロ	四球
P	[1]	増居
1	生井
1	橋本達

投手成績

増居	6	25	104	3	4	4	2	2
生井	2	7	38	0	1	1	0	0
橋本達	1	3	15	0	3	0	0	0

※当記事は緊急事態宣言発令を受け、1人の部員による観戦レポートという形で制作しました。

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