カターレ、熊本と分ける

富山-熊本 前半、熊本の選手と競り合う富山のMF花井(右)=県総合運動公園陸上競技場

 明治安田J3第11節は13日、各地で6試合があり、カターレ富山はホームの県総合運動公園陸上競技場で熊本に1-1で引き分けた。通算成績は6勝3分け1敗の勝ち点21で暫定2位。この試合でMF花井がJ通算200試合出場、MF姫野が同100試合出場を達成した。

 富山は試合開始から激しい守備で主導権をつかむと、同8分、花井の右CKに走り込んだMF音泉が頭で合わせ先制。その後は熊本にボールを持たれる時間が続いたが、DF林堂らが集中した守備で決定機をつくらせなかった。

 後半に入っても熊本にペースを握られ、同34分、右サイドを崩されて同点に追い付かれた。富山は終了間際にカウンターからチャンスをつくったが得点は奪えず、今季最多の3857人が集まったホームで白星を挙げられなかった。

 次節は20日に長野Uスタジアムで長野と対戦する。

■先制後 主導権奪えず  ボールの奪いどころと奪った後の攻撃の精度。白星を重ね、J2復帰を確実にするために富山が克服しなければならない課題を突き付けられた90分間だった。

 積極的な守備で押し込み、開始10分足らずで先制。いい滑り出しをしたかにみえたが、ピッチの幅をうまく使ってサイドから攻める熊本に対し、徐々にプレスがはまらなくなった。

 パス回しにたけた相手に守備網をかいくぐられ、中盤の選手まで自陣ゴール付近に張り付けにされた。そこからボールを奪っても相手ゴールは遠く、決定機に結びつけられなかった。

 相手に主導権を握られ続け、後半途中に失点。DF林堂は「やりたいサッカーができなかった。こういう結果になるのは当然」と悔やんだ。

 それでも、約10年間勝てていない熊本に対し、最後まで体を張って勝ち点1を積み上げた意味は大きい。例年より少ない全28試合の今季は、苦手な相手からも勝ち点をもぎとる重要性が増している。DF柳下は「今の時点で課題が見えたのはよかった。ボールを奪った後にしっかりつないで、自分たちの時間を増やしていかないといけない」と前を向いた。(南貴大)

富山 1 - 1 熊本 1 (前半) 0 0 (後半) 1

▽得点 【富】8分 音泉 【熊】79分 岩下 ▽交代 【富】57分 花井→高橋    57分 大野→吉平    70分 佐々木→末木    70分 音泉→田中    83分 椎名→碓井 【熊】46分 東出→ターレス    46分 浅川→伊東    90分 高橋→竹本 ▽警告 【富】26分 姫野    45分 花井 【熊】34分 浅川 ▽シュート 【富】7【熊】7 ▽観衆 3857人

【富山】 GK 1 西部 洋平 DF 4 戸根 一誓 DF 19 柳下 大樹 DF 23 林堂 眞 MF 7 佐々木 陽次 MF 10 花井 聖 MF 13 安藤 由翔 MF 17 姫野 宥弥 MF 20 音泉 翔眞 MF 22 椎名 伸志 FW 9 大野 耀平

控えメンバー GK 31 齋藤 和希 DF 39 鈴木 翔登 MF 16 末木 裕也 MF 50 田中 佑昌 MF 6 碓井 鉄平 FW 27 吉平 翼 FW 8 高橋 駿太

【熊本】 GK 23 佐藤 優也 DF 2 黒木 晃平 DF 5 菅田 真啓 DF 4 酒井 崇一 MF 8 上村 周平 MF 6 河原 創 MF 7 岩下 航 FW 18 杉山 直宏 FW 9 高橋 利樹 FW 11 浅川 隼人 FW 19 東出 壮太

控えメンバー GK 35 内山 圭 DF 3 小笠原 佳祐 MF 10 伊東 俊 MF 14 竹本 雄飛 MF 15 水野 泰輔 MF 21 ターレス

富山-熊本 後半、熊本のクロスをキャッチするGK西部
富山-熊本 前半、先制点を奪い喜び合う富山の選手たち
富山-熊本 前半、ヘディングでクリアするMF安藤
富山-熊本 前半、熊本の選手と競り合うMF音泉
富山-熊本 後半、惜しいシュートを放つMF姫野
富山-熊本 引き分けに終わり悔しい表情を見せる富山の選手たち

© 株式会社北日本新聞社