【RIZIN】「朝倉兄弟はユーチューバーやってる場合か?」前田日明氏が鳴らしていた警鐘

クレベル・コイケ(左)に完敗した朝倉未来

まさに予言通りだ。〝格闘王〟前田日明氏(62)が格闘技イベント「RIZIN.28」(13日、東京ドーム)で明暗を分けた朝倉未来(28)と朝倉海(27)の最強兄弟に激辛エールだ。未来はメインでクレベル・コイケ(31=ブラジル)に失神負けし、試合後は引退を示唆する事態に。弟の海はバンタム級トーナメント1回戦で渡部修斗(32)に快勝した。2人を見いだした格闘王が試合前に送っていた言葉とは――。

衝撃の結末だった。メインでコイケと対した未来は、1ラウンド(R)こそスタンドでの打撃で押し込んだものの、2Rは開始早々に組みつかれ、スルスルと三角絞めで捕獲された。

事前に〝予告〟していた通りタップをしなかったため、そのまま絞め落とされレフェリーが試合を止めた。試合後は「今後? 引退も含めて考える。今日ここで負けてこの先、格闘技をやっていく意味があるのかどうか。自分に落胆しているし、トップを目指せないんだったらやる意味がない」と落胆を隠せなった。

そんな未来と海を発掘したのが、2人がアマチュア時代に出場していた「THE OUTSIDER」を主宰する前田氏だ。実は試合前、格闘王は本紙の取材で、まるでこの結果を予期するかのように厳しい言葉で警鐘を鳴らしていた。

未来については「兄貴はUFCの王者になるとか、多分無理ですよ。今の生活だったらね。素質はあるんだけど、普通、貯金が5億とか10億とかあったらどうします? そういうことなんですよ」と指摘。その上で「この間(ユーチューブ企画で)魔裟斗君と話して感動して『本腰入れて格闘技をやります』って言ってましたけど、彼(魔裟斗)が現役時代にやっていた練習って俺らが見ても大したもんですよ。ダッシュ1500メートルを何本もとか、そんなんを朝から晩までやっていた。(未来が)午前中にスパーリングするのとは全然違うんですよ」と調整方法について辛辣に語った。

一方、順当に1回戦を突破した海については「弟はいろいろやってるんで、まだ期待が持てますよ」としながらも厳しい言葉は続く。「20代の一日一日がスポーツ選手にとってどれだけ大事か分かってないんですよ。だから海も、あんまりうかうかしてると『UFCでチャンピオンになる』っていうのが〝言うだけ番長〟になってしまいますよ」

さらに「今一番お金があるのはアメリカ、UFCなんです。そこに世界中からどれだけ(の選手が)集まってるかというのを早く思い知らないといけないんです。早く思い知って、効率的で有用なトレーニングを(してほしい)。普段の食事や休養から含めてトータルな最新のトレーニングを取り入れて、朝から晩までやらないといけないんですよ。チャラチャラ、ユーチューバーやっている場合じゃないんですよ」と早期の世界挑戦を厳命した。

だが、これらの言葉も格闘王ならではの〝親心〟からであるのは確か。ここから最強兄弟が歩む道に注目したい。

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