伸び盛り24歳宮本、初の五輪で強さ証明へ 重量挙げ73kg級 日本記録保持

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昨年の全日本選手権男子73キロ級で優勝した宮本昌典。初の五輪で表彰台を目指す=2020年12月、新潟県

 まだ24歳。伸び盛りの宮本昌典(東京国際大職)が、初の五輪切符を手にした。スナッチ155キロ、ジャーク190キロ、トータル345キロは全て男子73キロ級の日本記録。スナッチとトータルは昨年12月の全日本選手権で更新した記録だが、「トータル350キロでメダルが確実と思って調整してきた。届かず悔しい」と五輪の表彰台を見据えていた。

 松川小6年で恩師の平良真理さんと出会い、重量挙げの道に進んだ。日本代表の小宮山哲雄監督は宮本のフォームを「無駄がない。人それぞれ関節や筋肉の腱(けん)の長さも強さも違う。同じことはできない」と評価。体に沿って最短距離でバーベルを引き上げる才能は天性のものだ。

 国内大会は出場するごとに記録を更新したが、4月のアジア予選では悔しさも味わった。ジャークは2、3本目で自信があった188キロを失敗。「五輪の壁は高い」と精神面の課題を痛感しながら、「気持ちを切らさず、五輪のメダルを目標に捉えてやっていきたい」と言い聞かせていた。

 同階級では突出した世界記録保持者の中国人選手を除き、どの選手にもメダル獲得のチャンスがある。全日本選手権の優勝インタビューで語った「来年はもっと強くなった自分が見せられるよう頑張りたい」との言葉を、東京五輪の舞台で証明してみせる。

 宮本昌典(みやもと・まさのり)男子73キロ級。1997年2月、那覇市生まれ。松川小6年で平良真理さんと出会い、重量挙げの道へ。東京国際大では64年東京、68年メキシコ両五輪で金メダルの三宅義信氏に師事。17年世界ジュニア69キロ級で銀メダル。73キロ級でスナッチ155キロ、ジャーク190キロ、トータル345キロの日本記録を保持。沖縄工高-東京国際大出、同大職。161センチ。24歳。

「私が取れなかったメダルを」弟子の出場に感慨深げ

◆シドニー五輪女子53kg級7位 恩師平良さん

 宮本昌典が競技を始めるきっかけとなった恩師で、自身も2000年のシドニー五輪女子53キロ級で7位だった平良真理さん(45)は、教え子の五輪内定に「やっと五輪のプラットフォームに立てる。良かった」と感慨深げに喜んだ。

 練習動画を見てはメールで助言を送るなど、今も沖縄からサポート。高校生の時から「東京五輪に出る」と話していたという宮本に、「絶対出場させたいという思いで指導してきた。出るからには、私が取れなかったメダルを取ってほしい」と期待を寄せた。

 宮本は19年の南部九州総体で沖縄工高のセコンドを担うなど、母校への思いも強い。度々練習に訪れる同高の後輩で男子102キロ超級の棚原幹勝(3年)は「練習から風格がある。五輪が現実になり、改めてすごいと思った」と感動の声を上げた。「憧れの選手。僕も全国総体で優勝し、宮本先輩の後に続く選手になる」と力を込めた

初の五輪出場に向け、記録を更新し続けてきた男子73キロ級の宮本昌典=2019年7月、東京都
恩師の平良真理さん(左)の指導を受けに母校を訪れた宮本昌典=2019年11月、那覇市・沖縄工業高校