県高総体ライブ配信

 コロナ禍の影響で2年ぶりの開催となった県高総体が11日、閉幕した。約1万人の若者が仲間と一緒に戦い、笑い、泣いた1週間。印象に残るシーンも数多かったが、やっぱり無観客は寂しかった。スポーツは声援や拍手を含めてこそ、とあらためて感じた▲この無観客を受けて、今年は新たな取り組みが始まった。インターネットでのライブ配信だ。ラグビー、ソフトボールなどの数競技がテレビ局と連携して映像を流した▲手法が違っていたのはハンドボール。県高体連専門部を中心に、指導者の私物のカメラや学校の備品などを使って男女の全24試合を配信した▲県立鹿町工業高教諭の小川直宏専門委員長がその意義を説く。「保護者が子どもの試合を見たいのは当然。だから、1回戦からやろうと手作りでやってみた。大変だったが、県外のOBらも喜んでくれた」。かかった費用は約2万円だった▲いつかは訪れるアフターコロナの時代。その時は有観客に戻るだろう。でも、繰り返して再生できる動画は、間違いなく選手や審判のレベル、観客のマナー向上につながる。これを今回限りで終わらせるのはもったいない▲諸事情で観戦できない人のために、スポーツの魅力を広く発信するために-。来年はより多くの競技のチャレンジを期待している。(城)


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