ドローンで森林管理 レーザー搭載、実証実験へ 長崎県組合連合会など 諫早市に支援要望

ドローンを活用した効率的な森林管理への支援などを盛り込んだ要望書を手渡す八江会長(右)=諫早市役所

 計画的な森林管理などにつなげるため、長崎県森林組合連合会(八江利春会長)と長崎南部森林組合(田中一樹組合長)が、レーザーを搭載した小型無人機ドローンによる森林調査の実証実験に取り組む計画を進めている。スマート林業の一環として県内に普及させたい考えだ。実証実験は多良岳山系で今秋以降の年内実施を目指しており、諫早市に10日、支援を求めた。
 同連合会などによると、レーザーで測定し、ヒノキなどの樹種ごとに本数や樹高、材積などを分析、算出。計画的、効率的な森林整備、伐採、市場出荷につなげる。従来、こうした森林調査は人力に頼っており、得られたデータの正確さ、効率性や経済性などを検証し、本格導入を目指す。人力で森林に入っていく場合と比べ、安全性が確保されるメリットもあるという。
 同連合会と鹿児島大農学部は大学の知的資源を本県の林業人材育成などに生かす連携協定を結んでおり、実証実験に当たっては同学部の寺岡行雄教授が助言する。ドローン飛行の人件費や機材リース代、データ解析に費用がかかることなどから、森林資源の循環利用など森林・林業政策に関する要望項目の一つとして市に支援を求めた。市役所で大久保潔重市長に要望書を手渡した八江会長はドローンを活用した森林調査について「諫早をモデル地区にし、本県や九州の手本にしていきたい」と話した。
 長崎南部森林組合(諫早など4市2町)は県内に八つある森林組合の中でも、同市を中心に組合員数(法人、個人など計約3900)、管轄森林面積とも最大規模。近年は中国や韓国などへの輸出にも力を入れ、国内外への昨年の出荷実績はヒノキなど計約3万立方メートル、売上高約3億4千万円だった。

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