「ケイリンパーク」創出へ 周辺に市民が憩う施設を コロナ禍の佐世保競輪 現状と課題

 佐世保競輪場は開設から70年以上が経過し、老朽化が課題となっている。佐世保市は2022年度にメインスタンドの全面改修に着手。車券を買う人が集まる“閉鎖的な空間”というイメージを払拭(ふっしょく)するため、周辺には市民が憩う施設も整備し、「ケイリンパーク」の創出を目指している。
 新たなメインスタンドはインターネットによる車券販売の普及などを考慮し、収容人数を現在の3100人から800人程度へ大幅に縮小。22年12月に既存スタンドの解体を始め、24年12月までに改修工事を完了する。
 全国の競輪場は、一般市民や家族連れが訪れやすい雰囲気づくりにも注力。佐賀県の武雄競輪場は18年に自転車競技BMXのコースや遊具などを備えた公園を併設し誘客している。
 佐世保市もスタンドの改修に合わせ、競輪場周辺に市民向けの施設を整備する方針。8月までに工事の全体像をまとめた基本計画を策定する。整備費は競輪事業の収益から積み立てた基金で全額賄う。基金は昨年度時点で約32億円に上る。市競輪事務所の山邊忠孝所長は「港に近い立地を生かし、開放的で明るい競輪場にリニューアルしたい」としている。


© 株式会社長崎新聞社