消費期限間近の食品人気は消費水準の「低下」ではなく、消費観の「向上」―中国メディア

©株式会社 Record China

「割引価格で、割引きなしのおいしさ」をキャッチフレーズにするのは、SNSの豆瓣の「私は消費期限間近の食品が好き」グループだ。立ち上げからわずか8カ月で、メンバーは6万人を超え、消費期限が近づいて割引きになった各種食品の情報をリアルタイムで共有する。そうした食品を購入するのが一部の人々の、とりわけ若者の日常になっている。人民網がメディアの報道を総合して伝えた。

消費期限間近の食品は、消費期限が切れる間近だが、その品質に問題はない。消費期限間近の食品の販促を行うプラットフォームである善食者連盟の創設者・邱●(チウ・ジャー、●は吉が2つ)さんは、「食品業界にある『引き受け可能期間』の慣例により、大手スーパーは通常、消費期限の3分の1を過ぎた国産食品と2分の1を過ぎた輸入食品の引き受けを拒否する。商品棚に置かれて売り上げが思わしくない食品は、末端の店舗が売れ残った分を卸売業者に返品する。こうした食品は非常に安い価格で消費期限間近の食品の市場に出回ることになる」と説明した。

長年にわたり仕入れを手がけてきた畢犬洋さんは消費者層の変化にみられる特徴を総括して、「消費期限間近の食品を扱う店舗は野菜市場から始まり、その後、住宅エリアへと進出したが、その顧客のほとんどは中高年層だった。その後、実店舗が人の流れの多いコア商業圏やオフィスビルなどで試験的に販売してみたところ、品質は重視するが、懐が寂しい若者が大勢利用するようになった」としている。

統計によると、中国では毎年廃棄または浪費される食糧は約3500万トンに上り、食糧の総生産量の6%に迫る。畢犬洋さんは、「消費期限間近の資源を有効に利用すればウィンウィンを実現できる。これまで消費期限間近の食品は飼料工場かごみ捨て場に行くしかなかった。そこにわれわれが橋を架けることで、消費者は実質的な恩恵を受けられ、業者は速やかに損失を食い止められるようにしている」としている。

オンラインプラットフォームはよりオープンで透明だ。淘宝(タオバオ)の検索キーワードを見てわかるのは、「消費期限間近」を店名に入れた店舗がすでに1000店に達している点だ。そのうち、売り上げトップの店舗には156万人のフォロワーがいて、食品の説明を見ると、消費期限のほか、期限間近でない食品との価格差も記されている。

関係者は、「消費者が本当に敏感に反応するのは消費期限ではなく価格だ。これこそ消費期限間近の食品が爆発的な人気になった真の原因だ」と話した。

邱さんも、「食品の期限が異なるのに価格が同じなら、消費者はより新しい方を選んで買うだろう。しかし期限によって価格が変われば、コストパフォーマンスの高さがはっきりするので、あらゆる種類の食品がそれぞれふさわしい消費者を獲得するだろう」との見方を示した。

なぜこれほど多くの消費期限間近の食品が発生するのだろうか。これ自体が深く考えるべき問題だと言える。この点に関し邱さんは、「一時的に市場を開拓するよりも、問題を根本的に解決する方法を考えた方がいい。食品が末端ルートでより長い時間をかけて流通するようにし、商品棚に置かれた時からすぐに動的に価格を設定すれば、必ずしも消費期限まで待つ必要もないし、浪費されることもないだろう」との見方を示している。

経済日報の評論によると、こうした現象が見られるようになったのは主に監督管理が厳格化され、業者が食品の処理をよりオープンで透明にしたためだ。業者がちゃんとわかっていて販売すれば、消費者もちゃんと理解した上で購入する。5~7割引きの価格で、品質に問題がなく、おいしさは少しも割引きされていない食品を購入すれば、業者と消費者にとってウィンウィンになるという。

現在、中国人は消費期限間近の食品の販売理念を徐々に理解するようになり、ここには消費観の転換が反映されている。消費する時にメンツを気にしてはならないし、笑われるのではと余計な心配をすることもない。自分のニーズを踏まえて自分で判断し、理性的に買い物することが大切だ。より少ない出費で、ほぼ同じ品質と体験を味わえる。これは消費水準の「低下」ではなく、消費観の「向上」にほかならない。

消費期限間近の食品が理解されるようになったことは、浪費に反対することが徐々に社会全体の共通認識および行動になったことも物語っている。

もちろん、消費期限間近の食品を販売する時は安全性の問題を忘れてはならない。消費期限間近と消費期限切れとの差はわずかで、期限を過ぎれば、業者は回収して他の用途に回すか廃棄して、安全という最低ラインを守らなければならない。消費者も理性的に購入し、食べるタイミングを合理的に考え、表示に従って保存するようにすべきだ。(提供/人民網日本語版・編集/KS)