復調のきっかけとなるか。ソフトバンクのウラディミール・バレンティン外野手(36)が13日のヤクルト戦(ペイペイ)で通算300本塁打と1000安打を達成した。
代名詞の本塁打は5月28日の巨人戦(ペイペイ)で2発を放ってからストップ。期待された交流戦でも打率1割台と結果が出ず、いよいよ後がない状況だった。そんな中で交流戦のラストで古巣相手に貫録を見せつけた。5回にダブル達成の3号ソロ。さらには7回にも2打席連続の4号2ランを放った。「両記録の寸前で時間はかかってしまったが、今まで積み重ねてきた数字なので素直にうれしい」と笑顔を浮かべた。
シーズン60本塁打の大砲が苦労の末にたどり着いた。その奮闘ぶりを象徴するのが、2年越しのお披露目となった300号のメモリアルグッズだ。今回、Tシャツやタオルなどにプリントされるのは、バレンティンが両手を顔の横で「パーティーピーポー、ピーポーピーポー」とパトカーのサイレンのようにクルクルさせているもの。
ただ、これは昨季の序盤の本塁打パフォーマンスで今年は披露していないが…。
「入団した時点で300号まで間近で年をまたぐことになるとは想定しておらず、すでに昨年の段階で使用するデザイン自体を作ってしまっていました。今年に入りバレンティン選手にも見せましたし、またやってくれないかなと期待したりもしてましたが。とはいえ、無事達成してもらい、お披露目となることが何よりですよ」(球団関係者)
ソフトバンクでのアーチ数は2年で13本。王貞治球団会長は「(節目の)プレッシャーがあっただろうけど見事に乗り越えたからね。これで気楽にやれるだろうから、彼の売り物の長打力をドンドン発揮してほしい」とエールを送った。この勢いで本領発揮といけるか。