デビューから50年以上のスズキ ジムニーになぜライバル車が不在なのか!? その理由は圧倒的な悪路走破性が生み出した“ジムニーの強大なブランド力”にあり

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2018年に登場したスズキ ジムニーだが、未だに納車まで半年程度の時間を有するほどの人気っぷりだ。ジムニーの魅力は軽自動車、そして本格クロスカントリーモデルとして唯一無二の存在として君臨し続けているが、なぜ直接的なライバルは不在である。振り返ってみれば三菱 パジェロミニなど似たコンセプトのクルマは存在したものの、どうしてジムニーだけが生き残れたのか!?

スズキ 新型ジムニー XC(5MT) ボディカラー:ミディアムグレー

1970年デビューのスズキ ジムニーにライバル不在の謎

スズキ ジムニーの初代モデルが登場したのは1970年と、今年2021年で51年目となる歴史的なクルマである。軽自動車で、そして悪路走破性に優れたラダーフレーム構造を持つクルマとしてオフロード愛好家などから熱い支持を受けているモデルである。

そして1970年当時、国産の本格クロスカントリーモデルといえば三菱 ジープなど、軍用車を市販車に仕立てたモデルが当たり前だった時代に、軽自動車というコンパクトなボディで仕上げたとあって瞬く間に人気を博したモデルである。

今でこそ軽自動車は新車市場の約4割にまで迫る人気カテゴリーとなっているが、なぜジムニーのライバル車種は登場しないのだろうか!?

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ジムニーの魅力は唯一無二のパッケージングにあり!

1994年に登場した三菱 初代パジェロミニはジムニーと同様に副変速機を持つ本格オフローダーとして注目を集めたが、ジムニーの牙城は崩せず

じつはジムニーの直接的なライバルは1990年代に存在していた。それは1994年にデビューした三菱 パジェロミニというモデルで、トヨタ ランドクルーザーと並んで人気を博した三菱 パジェロの末っ子モデルとしてデビューしていたのだ。

ジムニーは初代から現在に至るまで一貫してラダーフレームを採用しているのに対して、パジェロミニはモノコックボディとラダーフレームを掛け合わせたビルトインモノコックボディを採用。

このことからもパジェロミニは悪路走破性だけでなく、市街地などの日常シーンでの使い勝手も意識したモデルであった。それに対してジムニーは一貫して本格オフローダーというコンセプトという違いがあったのだ。

オフロード走るならジムニー! という声が大きい

スズキ ハスラーやダイハツ タフトといった乗用車ベースのクロスオーバーSUVが人気を博しているが、ジムニーの客層とは全く異なるのだ。やはりジムニーを愛用する方々は悪路走破性やラダーフレームといった“ならではの魅力”を支持しているのだ

この手のクルマを購入するユーザーはジムニーのような、軽自動車の手軽さと本格オフローダーというコンセプトに魅力を感じているというワケだ。

実際に1990年代当時の状況を知るスズキのディーラーマンによれば「確かにパジェロミニの注目度は高かったが、古くからジムニーを愛用している人はジムニーを。そしてこの手のクルマを新たに買う層は日常使いも重視したパジェロミニに流れていた」と語るほど。

パジェロミニ自身もジムニーの独壇場となっていた市場に参入したワケだが、オフロードを愛用するユーザーはやはり長年の実績もあるジムニーを選んでいたというワケだ。

ジムニー人気の秘訣はブランド力と歴史にある

上記のような歴史があるにせよ、三菱 パジェロミニは2013年に惜しまれながらも生産終了となっている。現在三菱の軽自動車は日産と共同で開発されており、「次期パジェロミニ開発中」とメディアでは騒がれ続けているが、未だ三菱から正式なアナウンスはされていないという状況である。

ジムニーの50年以上にも及ぶ歴史、そして人気という牙城を崩すのはそう簡単な話ではないのだ。

モデルサイクルが各モデル10年以上という他に例のないほど、長いモデルサイクルのジムニー。一台を長く生産するという姿勢もファンから支持されている要因かもしれない。そういった観点からみてもジムニーの独壇場はこれからも続くのだろう。

【筆者:MOTA編集部 木村 剛大】