中嶋一貴がSF公式Youtubeにオンラインでゲスト出演「どこでも良い走りができるように」

 6月14日、全日本スーパーフォーミュラ選手権をプロモートする日本レースプロモーションは、新たな試みとして19時30分からYoutube Liveで『第3戦オートポリスレビューリアクションLIVE』を配信したが、この番組内で、6月13日にWEC世界耐久選手権第2戦ポルティマオを終えたばかりの中嶋一貴が、オンラインでサプライズゲストとして出演した。

 2021年は全日本スーパーフォーミュラ選手権にKuo VANTELIN TEAM TOM’Sから、WECにはTOYOTA GAZOO Racingから参戦する中嶋一貴。この日、スーパーフォーミュラをプロモートする日本レースプロモーションは新たな試みとしてYoutube Liveで『第3戦オートポリスレビューリアクションLIVE』を配信し、第3戦オートポリスで一貴の代役として出場し、ポール・トゥ・ウインを飾ったジュリアーノ・アレジと、予選2番手につけた宮田莉朋、そしてKuo VANTELIN TEAM TOM’Sの舘信秀監督が出演したが、サッシャ・フェネストラズに続いてのふたりめのサプライズゲストとして、一貴がポルティマオから出演した。

 フェネストラズの後、視聴者に向けてゲストは誰かを問いかけていたが、アレジの母である後藤久美子さんの名が挙がっている中で登場した一貴は、「後藤久美子さんではありません(笑)」とさっそく笑いをとると、「衣装指定だったので持ってきましたよ」とトムスのTシャツをアピールした。

 進行を務めていた高橋二朗日本モータースポーツ記者会会長は、前日もJ SPORTSでWECの解説を務めており、話題はWEC第2戦ポルティマオに。レースはアルピーヌが先行する展開となっていたが、「こちらの方が燃料の面で長く走れるのは分かっていましたが、思っていたよりも燃費が悪かったのかな、と思います。僕たちは一度うまくスプラッシュをセーブできました。でも向こうも速かったです。普通に抜かれましたしね」と振り返った。

 また、ポルティマオではトヨタの2台が順位を入れ替えるシーンがあり、それについて聞かれた一貴は「僕に聞きます?」と笑いながら解説した。

「基本的に、速いクルマを前に行かせるというのがありました。要は2台でバトルしてぶつかるのがいちばん困る。速い方が勝つという決まりをチームの中で作っていたので。最後は2台でガチンコで、速い方が前に行くというルールを適用してああいう形になりました」と一貴。

「ドライバーもチームも、そのあたりをマネージするのは大変ではあるのですが、そのおかげもあって、2台無事にレースを終えられたところもあると思います。外から見るとああ見えたのかもしれませんが」

トヨタGAZOO Racing8号車の中嶋一貴とブレンドン・ハートレー
WEC第2戦でトップチェッカーを受けたトヨタの8号車GR010ハイブリッド

■一貴の祝福に「ヨーロッパに引っ越しを考えてない?」とアレジ

 そして話題は、もちろんスーパーフォーミュラに。今季、Kuo VANTELIN TEAM TOM’Sの正ドライバーは一貴だが、WEC出場と、それにともなう帰国後の隔離期間などで、第2戦鈴鹿、第3戦オートポリスともにアレジが出場した。「今年は(スーパーフォーミュラ)あんまりやってないですけどね。どちらかというと僕の方が代役になりつつありますね(笑)」と一貴。

 一貴はスタジオで出演していたアレジの優勝を祝福したが、逆にアレジからは「質問があります」と一貴に問いかけが。「ヨーロッパに引っ越しを考えてないですか? そうしたら僕、あなたのシート獲ります(笑)」とアレジはジョークを披露した。

 これに対し一貴は、「実際どういう風になるか分かりませんし、僕の個人的な立場は置いておいて、フラットな視線で見ると、SFですごくいいレースをしているし、ふさわしいと思います」とアレジを高く評価した。

「レースの流れも含め、クルマも良くなっていますし、チーム全体がいい流れにいる。それを活かしている。良い結果を残しているので、ドライバー個人としても嬉しい部分があります」

 とは言え、一貴はトムスにとってもエースドライバーであり、「人気のあるドライバーはみんなヨーロッパ行っちゃうから。(野球の)メジャーリーグから日本に帰ってきたりもするじゃない。WEC止めて日本に帰ってきたらどうなのよ」と同じく出演していた舘信秀監督は一貴に問いかけた。

 すると一貴は「コレが(笑)」とお金の指サインを出して笑いつつ、「今回平川(亮)もWECのテストに来ていますし、実際そういう風になることも将来あるかも知れません。日本に戻っても……というより日本にいるつもりなんですけど(笑)。どこでも良い走りができるように頑張ります」と語った。

 舘監督からは最後に「トムスのエースだと忘れないでよ」と再度声をかけられ、「僕もそのつもりなんですけど」と一貴。日本のファンにとってはWECとSFのどちらも活躍するシーンが観たいところだが、新型コロナウイルスの影響が続くなか、舘監督や一貴同様、悩ましいところだ。また、Youtube Live内では第3戦オートポリス、そして週末に迫った第4戦スポーツランドSUGOについても興味深いトークが展開されている。見逃した方はぜひチェックを。

スーパーフォーミュラ公式Youtube Liveでジュリアーノ・アレジと笑顔で言葉を交わす中嶋一貴
中嶋一貴(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)

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