崖っぷち続く巨人・陽岱鋼 台湾メディアが「今こそ復活へ最大のチャンス」と見る根拠

5年契約の最終年となった巨人・陽岱鋼

今季一軍出場ゼロの巨人・陽岱鋼外野手(34)は〝ラストチャンス〟をものにできるか。5年契約最終年を迎え、背水の構えで今季に臨んだFA戦士はオープン戦で結果を残せず開幕二軍スタート。ここまで一軍昇格はなく、一時は三軍降格すら経験した。まさに崖っぷちだが、出身地の台湾メディアからは「今こそ復活のチャンス」との声も出ている。

台湾の英雄が苦しんでいる。春季キャンプでは「S班」「一軍」とメンバー振り分けをされたものの、オープン戦で結果を残せず、開幕は二軍で迎えた。

シーズン序盤は一時、打率0割台を記録するほどの絶不調が続き、コンディション不良など様々な事情が重なり合って三軍降格も経験した。二軍再合流後はわずかながら調子を取り戻し始め、ここまで計16試合に出場して打率2割1分8厘、3本塁打、7打点(14日時点)となっている。

巨人は新助っ人テームズや梶谷の負傷離脱、新型コロナウイルスの陽性判定と不調による丸の2度の離脱するなど外野手に泣かされてきた。それでも陽岱鋼に声がかかることはなく、現在は再調整中の丸と二軍で中堅とDHで併用され、打線の主軸として肩を並べている状況だ。

一見すると陽岱鋼の置かれている厳しい状況は変わらないようにも思えるが、故郷ではこれを肯定的に捉える向きがあるという。台湾野球にも詳しい現地メディアの関係者は「丸選手が二軍にいるタイミングこそ、岱鋼にとっては最大のチャンスになるはずです」と切り出し、こう続けた。

「今季の陽岱鋼はずっと二軍暮らしが続いていたので、一軍クラスの選手の動きをしばらく見ていないですよね。そんな中で、丸選手が目の前でコンスタントに安打を放っている。一軍レベルの打撃力を見ることで、自分に何が足りないかを見つめ直すきっかけになるのでは」

技術面だけではなく、精神面でも〝丸効果〟は大きいという。別の台湾メディアは「もともと陽さんはムラがあるタイプの選手。二軍生活でやる気を失くしていることはないと思うが、同じ外野手で歳も近い丸選手と自身を比べることで刺激を受けないはずがないですし、発奮材料になるはずです」と闘争心に火がつくことを期待する。

すべては台湾球界のスターが再び輝くことを望んでのエール。丸も状態が上がれば即一軍に昇格する。〝お手本〟が近くにいる時間は無限ではない。前出の台湾メディア関係者は「ぜひ、もう一花咲かせてほしい」と口を揃えている。

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