SONY製国産ドローン「Airpeak S1」が会場注目度No.1!「α」シリーズ搭載可能な注目機体を間近にじっくりと! [Japan Drone 2021]

ついに開幕したJapan Drone 2021。今回の目玉はやはりSONYが満を持して投入した「Airpeak S1」ではないだろうか。ブースには、余計な説明はなく、誇らしげにAirpeak S1が3機展示してあった。

初めて目の前にしたAirpeak S1は想像よりも小さいイメージ。1メートルサイズの機体をイメージしていたのだが、実際には対角寸法60cm強(約644.6mm、モーター対角)。フルサイズ一眼カメラ「α」シリーズを搭載できる世界最小クラスの機体ながら、90m/hの飛行スピードや20m/sの耐風性能を誇るというから驚きだ。

機体正面。一眼カメラ搭載機としてはとても小さいサイズ感

「α」シリーズカメラ本体を撮影目的に応じて選択することにより、8K高解像度撮影から夜景のようなシーンで必要な高感度撮影まで対応できるほか、レンズも焦点距離14mmの超広角から85mmの中望遠まで搭載できるため、あらゆる撮影シーン・画角に対応可能だ。

展示機体にはα7sが搭載されていた

また、運動性能だけではなく、前後左右下面にステレオビジュアルセンサー、上下に赤外線センサーを搭載して障害物検知&ブレーキにより安全性を担保。そして、それらの技術ベースであるフライトコントローラー、センサー類、モーター、バッテリー、プロペラ等、ジンバル以外はほぼSONYの内製とのこと。ブースには各パーツごとの展示もあった。

正面アップ。FPV用カメラと2つのビジョンセンサーを搭載。FPVカメラはチルト(上下)操作できる
側面のビジョンセンサーも2つ搭載
背面はセンサーユニットのような飛び出た部分があり、後部・下部のビジョンセンサー各2つと中央下部に赤外線センサーを2つ搭載している(下方にジンバルがあるため飛び出ている)
上部前面に赤外線センサーが2つある。検知範囲は0.1-2mと狭いため低速時のみに作動すると思われる
SONY製バッテリーは2つ搭載。詳細なスペックの公表は現状見当たらないが、1つあたりの電力量は100Wh未満で基本的に制限なく航空機機内に持ち込み可能、バッテリー交換は「ホットスワップ」に対応しているためひとつずつ交換することで本体電源を落とすことなく交換ができる(DJI INSPIRE2に仕様がにている)
モーター、プロペラもオリジナルで内製している
ブースにはフライトコントローラーやセンサーなど基板部分も分解展示してあった

機体+送信機+モバイルアプリ+Webアプリ=Airpeak

機体のインパクトもさることながら、機体+送信機+モバイルアプリケーション+Webアプリケーションで構成されたパッケージとしての「Airpeak」はとても魅力的だ。

Webアプリケーションで自動航行のフライトミッションを作成したり、機体やバッテリーの状況を一覧表示したりできるものなのだが、独自の機能としてフライトプラン作成機能はグラフィックソフトで定番の「ベジェ曲線」を使ってなめらかなコース設定や高度設定が可能となっている(これまでの定番は点と点を結ぶ「ウェイポイント」機能が一般的だが、直線的な動きになってしまう)。

もちろん、高度やカメラの角度も設定できるので自動航行による滑らかな空撮が理論上可能だ。それ以外にも、一度飛ばした飛行ルートを記録して再度同じ飛行をする「再現飛行」にも対応しているため、何度も繰り返す同一カット撮影時や、自分で飛行させたルートを再現飛行させつつカメラ操作に集中する"疑似2オペレーション"などもできるため、パイロットの人材不足やクオリティコントロールにも役立てることができそうだ。

Webアプリのフライトプラン作成画面。地図上の曲線が水平飛行ルート、画面下部の曲線が高度の曲線。タイムラインとして表示されているため、動画編集ソフトのような操作感覚

送信機は世界的にも技術的評判が高いFutaba製ユニットを搭載したオリジナル。スティックの長さやタイプもいろいろテスト・評価を重ねた上で現状のものになっているとのこと。もちろん、飛行用モバイルアプリもSONY製で「α」シリーズのコントールや簡易的な設定まで一元的にできる。

送信機はタブレット端末を装着して使用する。操縦とカメラ操作を分ける2オペレーションにも対応
送信機左肩部分にはカメラのチルト操作をするレバーがある。レバー上部のスイッチを切り替えることによりFPVカメラのチルトも操作できる
見やすいフライトアプリ画面。右側のアイコンがカメラ設定、左側のアイコンが主要な機体。設定のショートカットとなっている

絶えず来場客が往来していたSONYブース。注目度は間違いなく会場No.1だ。機体についてはバッテリーの持ちが実質12分であったり、電波伝送があまり強くないなどの懸念点も上がっているが、大容量バッテリーの開発や伝送まわりの開発は現在も進められているそうなので9月の発売時にはまた一段レベルが上った状態で我々の前に現れることだろう。

▶︎SONY

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