5~6月 県内景気据え置き コロナ感染再拡大で足踏み 日銀長崎支店

 日銀長崎支店は14日、5~6月の県内金融経済概況を発表した。景気全体について「緩やかに持ち直しているが、(新型コロナウイルスの)感染再拡大の影響から足踏み感がある」とし、判断を据え置いた。4月下旬以降の「第4波」の影響で、状況に変化が見られなかったため。
 下田尚人支店長は会見で、「今月に入り、長崎市の緊急事態宣言が解除されたが、大都市圏の緊急事態宣言が継続されているため、県内でも警戒感が続き、人出の改善は鈍い」と指摘。「個人消費と観光の回復は、ワクチン接種の進捗(しんちょく)状況次第。そのタイミングは今後も注視する必要がある」との見通しを示した。
 個人消費は、サービス消費を中心に下押し圧力が強まっている。小売業や飲食店が書き入れ時の大型連休前後の感染再拡大に加えて、例年より1カ月近く早く梅雨入りしたため、売り上げに響いた。
 物の消費はコロナ禍による“巣ごもり需要”などで底堅く推移。5月の乗用車新車登録台数も前年を上回った。観光は依然、落ち込んだ状態。ビジネス客以外は動きは止まっており、今後の予約も戻りが鈍い。
 生産は「持ち直し」の判断を維持。電子部品・デバイスが回復。設備投資は「引き続き堅調」。半導体関連の大型投資が再び始まり、今後、判断変更の可能性があるという。住宅投資は「弱い動き」、公共投資は「高水準で推移」、雇用・所得は「弱い動き」。

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