トヨタ 新型ランドクルーザー300が発表され、2021年夏にも発売される見込みだ。今となっては高級SUVというイメージのランドクルーザーであるが、振り返ってみると軍用車を市販版に仕立てたジープのようなモデルからスタートと、今の姿からは想像もできないクルマであった。そこでトヨタ ランドクルーザーの70年にも及ぶ歴史を振り返ってみよう。今回は前編と題して、初代モデル〜1984年まで生産された3代目モデル40系までをご紹介する。
新型ランドクルーザー300発売間近! ランクルは70年にも及ぶ超長い歴史の持ち主だった
先日、新型ランドクルーザー300と呼ばれる新型モデルがついにお披露目となった、トヨタを代表する四輪駆動車である。
日本のみならず、幅広い国と地域で愛されており、今年2021年で誕生から70年という長い歴史を持つモデルだ。そこで今回はそんな長い歴史を誇るランドクルーザーを初代モデルから振り返ってみたい。
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初代ランドクルーザーは自衛隊向けに開発するも、結果として市販モデルに
1951年に完成した初代モデルは、当初陸上自衛隊(当時の警察予備隊)へ納入することを目指して開発された車両だった。当時の小型トラックであるトヨペットトラックSB型用のシャシーを四輪駆動へと改め、エンジンには当時のトラックやバスに搭載されていた直列6気筒OHV3386ccのガソリンエンジンが搭載されていた。
しかし、残念ながら陸上自衛隊への採用は叶わず、民生用として本格的な生産がスタート。当初はトヨタ ジープとして販売していたが、ジープという名前がウィリス・オーバーランド社の商標であったことから、1954年6月から「ランドクルーザー」へと改められて現在に至っている。
2代目ランドクルーザーからロングモデルも登場! 量産車として開発したため幅広いラインアップが魅力だった
1955年11月には2代目へと進化。初代とは異なり、当初から民生用として開発されたこともあり、軍用車然としていた初代とは異なる印象となっている。
また多岐にわたる用途を想定し、ノーマルホイールベース車のほかショートホイールベースも設定。モデル末期にはロングホイールベースも追加されていた。
本格的な四輪駆動車として生まれたランドクルーザーではあったが、警察のパトロールカーとして後輪駆動の2WDモデルも用意され、より幅広いラインナップとなっていたのも特徴。
さらにこの代からは海外への輸出もスタートし、特に北米市場ではスマッシュヒットを記録している。
3代目ランドクルーザーは北米で大ヒット! 世界のランクルになった歴史的なモデル
1960年8月には3代目モデルが登場。通称40系と呼ばれるこのモデルは、特に北米市場で大人気となり、このデザインをリバイバルさせた「FJクルーザー」が2006年に登場したのも記憶に新しいところ。
搭載されたエンジンは当初は先代から引き継いだ直6OHV3.9リッターガソリンエンジンとなっていたが、73年にはランクル初のディーゼルエンジンとなる直6 3.6リッターディーゼルを追加、翌年には4気筒の3リッターディーゼルモデルも追加し、日本国内で個人が購入しやすい4ナンバーカテゴリーとなった。
5代目モデルから高級路線にシフト! ランクルの変遷が凄まじかった
今回はランドクルーザーの初代モデルから3代目にあたる40系までを振り返ってきた。冒頭で述べた通り、当初は陸上自衛隊へ納入するために開発された車であったために、ジープに近いデザインであった。
ところが2代目モデルからは当初から市販を意識、そして3代目モデルはランクルブランドを確立させた歴史的なモデルというワケだ。
このように70年という長い歴史はさすがランクルといったところ。4代目モデル以降はどのような変遷を遂げるのか!?
【筆者:小鮒 康一/まとめ:MOTA編集部】