ハミルトン、持続可能性に反するF1マシンの重量増加に苦言「重くなれば無駄に使うエネルギーが増える」

 メルセデスのルイス・ハミルトンは、長年にわたりF1マシンの重量が定期的に増加されることは、グランプリレースの持続可能性推進に反しており、スポーツを間違った方向に導く可能性があると述べている。

 F1ハイブリッド時代の幕開けである2014年には、最低重量(燃料分を加算しない重量)は691㎏に設定されていた。しかし様々な規則変更によってより重いコンポーネントが追加された結果、重量は年ごとに増加し、最低基準値は752kgにまで増加した。そしてレギュレーション改正により、2022年のF1マシンの最低重量はさらに38kg増えて790kgになる予定だ。

「とりわけ持続可能性を高めるための話し合いが行われており、スポーツがその方向に進んでいるときに、どうしていっそう重くしてしまうのか理解できない」とハミルトンは先週末にバクーで語った。

「どんどん重くなっていくことで、ますます多くのエネルギーを消費することになるのだから、まったく正しい方向や正しい思考プロセスに向かっていない」

2021年F1第6戦アゼルバイジャンGP ルイス・ハミルトン(メルセデス)

 1995年まで遡ると、最低重量レベルは595kgだったが、2010年までには620kgに増加した。ハミルトンはより軽く、より小さなマシンがより良いレースを生み出すと主張した。

「軽いマシンは動きがより鋭敏で、大きなマシンとは段違いだった。だからレースとマシン操作はもっと優れていた」

「僕たちが向かうコースは広くなってきていて(バクーのように)場所によってはかなり広い。もちろん他の場所では狭いところもある。でもモナコはいつも他と比べて追い越しが難しかったし、今のマシンはあまりに大きい。あのサーキットには大きすぎるんだ」

「僕が言ったようにどんどん重くなれば、無駄に使うエネルギーが増えるし、ブレーキが重くなり、より多くのブレーキダストが出て、向かう場所に行くのにより多くの燃料が必要になったりする。だからこのことはまったく理解できない」

2021年F1第6戦アゼルバイジャンGP ルイス・ハミルトン(メルセデス)

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