【MLB】粘着物質取り締まりが「怪我につながった」 右肘痛離脱のレイズ剛腕が怒りの告白

レイズのタイラー・グラスノー【写真:AP】

滑り止めとして日焼け止めを使用「使わずに投げた翌日に痛みがあった」

レイズのタイラー・グラスノー投手が15日(日本時間16日)、右肘靭帯の一部損傷で10日間の負傷者リスト(IL)入りした。右肘内側側副靭帯再建術(トミー・ジョン手術)を避ける予定だが、長期離脱することが決定的となった。大リーグでは投手の滑り止め粘着物質使用の取り締まりを6月下旬から始めると伝えられている。「僕の怪我につながったと100%確信している。疑う余地はないよ」と不満を口にした。

大リーグでは投手が強力な粘着物質「スパイダータック」を使用し、速球の回転数を増やしていることが問題視されている。松ヤニや日焼け止めクリームなども処分の対象で、滑り止めとしてはロジンのみが認められるという。グラスノーは「粘着物質を使ったことがある。僕は日焼け止め。スパイダータックを使っていない。回転数をこれ以上増やす必要はないんだ。手が大きいから、問題なくボールを回転させられる」と告白。一連の滑り止め物質の取り締まりで右肘に異変が起きたという。

8日(同9日)の本拠地・ナショナルズ戦で7回11奪三振1失点の力投で5勝目。「何も使わずに投げた。良い投球だったと思う。翌日起きたら、体に痛みがあった」。前回14日(同15日)の敵地・ホワイトソックス戦の4回降板につながり、右肘の負傷が明らかになった。この日のオンライン会見で怒りをぶちまけた。

「シーズン中に今までと違うことをするように言われても…」

「(右肘に)何かが起きていると感じた。これが全てMLBの責任だと言うつもりはない。全員に対して物事をフェアにしようとしているのは理解している。だけど、(取り締まりをするなら)オフシーズンにして選手たちにアジャストするチャンスを与えてくれないと。シーズン途中にいきなり何も使えないと言われ、シーズン中ずっと行ってきたことを変える必要があった。だから僕は怪我したんだと思っている。イライラするよ」

「シーズン中に今までと違うことをするように言われても。馬鹿げているよ。他の選手にも僕と同じことが起きてほしくない。直球がすっぽ抜けて打者の顔に当たるようなことは避けたい。(MLBが)積極的なアプローチを取る必要があるのは理解している。だけど、やり方が間違っている。サイ・ヤング賞も取りたいし、オールスターにも出場したいけど、リハビリをしてプレーオフに出るために復帰を目指さないといけない。本当に不満だ。解決策を見つけないといけないと思うよ。何も使ってはいけないなんてクレイジーさ」

昨季のワールドシリーズ進出に貢献した右腕は今季14試合登板して5勝2敗、防御率2.66。88回を投げて123奪三振と好成績を残していた。球界を代表する剛腕の発言が大きな波紋を呼んでいる。(Full-Count編集部)

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