阿部建設 県経済振興賞を受賞 上越で「ZEHタウン構想」も

 上越市、柏崎市で住宅建築などを手掛ける阿部建設(本社・柏崎市)が、今年の県経済振興賞を受賞した。快適性を実現しつつ、省エネ化と再生可能エネルギーの創出により、エネルギー消費を均衡させる取り組みが高く評価された。

 同社は環境省が地球温暖化防止の一環で推進する「ネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)」に取り組む。このほど、約6億円を投じて上越支店(同市西本町2)と本社を新築。上越支店は従来比80%のエネルギー削減に成功、ZEB認証で2番目に高い「Nearly(ニアリー)ZEB」、本社は同67%を削減、ニアリーに次ぐ「ZEB Ready(レディー)」の認証をそれぞれ受けた。

 住宅でも、高断熱化と省エネ、太陽光発電などの再生可能エネルギーを利用した「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)」に取り組む。2020年度21%だった施工比率を25年度には50%に引き上げる方針で、普及に向け「ZEHタウン」を構想している。

 構想は、本社がある柏崎市や上越市で宅地を造成、ZEHやEV(電気自動車)といった脱・化石燃料型の暮らしを実践するフィールドにするもの。「カーボンニュートラルのまちづくり」を実践できる場にしたい考えだ。

 ZEBやZEHは割高感や市場への浸透度が高いといえない点が課題。阿部尚義社長は「地球温暖化の問題は人類が乗り越えないといけないハードル。できることは全てやる」と話している。

「地球温暖化の問題は人類が乗り越えないといけないハードル」と話す阿部社長(左)

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