16日発売 市松模様にタカ配置 コンセプト、辛口の味わいや夏祭り 「能鷹」夏限定酒「TOMOKA」  上越市出身の川瀬とも夏さん(長岡造形大4年生) ラベルデザイン酒の名前にも  田中酒造

 田中酒造(上越市長浜)は16日、「能鷹」の夏限定酒を発売する。ラベルは同市出身の長岡造形大4年、川瀬とも夏さん(22)がデザイン、酒の名前も「TOMOKA(トモカ)」とした。

 デザインのきっかけは昨年7月。川瀬さんは授業の一環で商品ラベルのデザインを行うことになった。「自身が好きな鳥のグラフィックデザインを生かしたい」と田中酒造に話を持ち込んだ。馬場慶徳専務は「デザインが良ければ採用したい」とチャレンジを快諾。タカをメーンに、辛口の味わいを想起させるシャープさ、銘柄の由来でもある「能ある鷹は爪を隠す」のことわざ、夏祭りのにぎわいをコンセプトに原案を作成した。

市松模様の上に空を飛ぶタカを置き、日本酒造りに欠かせない麹(こうじ)をイメージした粒を配置した。原料のコメはラベルの下部に置いた稲穂、夏祭りは左右のちょうちんで表現した

 田中酒造は原案を「従来のデザインとは違う斬新さ」(馬場専務)と高く評価し、企画していた夏限定酒での商品化が決定。酒の名前も川瀬さんの名を冠することにした。 

 川瀬さんは、家族の日本酒好きもあって「いつかラベルを手掛けてみたい」と考えていたという。デザインが採用されて喜ぶと同時に、「自分の名前まで付けてもらって」と恐縮していた。

夏限定酒「TOMOKA」を手にする川瀬さんと馬場専務

 小柳忍社長は「若い人の日本酒離れが続く中、(学生が日本酒に関心を持ってくれて)うれしい」と話した。

 「TOMOKA」は1000本限定。500ミリリットル入りで希望小売り価格は1100円(税込み)。「能鷹」取扱店で販売予定。

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