慰霊の日前に平和祈念像を「浄め」 世界平和と新型コロナの収束願い

 【糸満】23日の慰霊の日を前に、市摩文仁の沖縄平和祈念堂で15日、沖縄平和祈念像のほこりを払う「浄(きよ)め」が行われた。新型コロナウイルス感染防止のため、昨年に引き続き人数を減らし、職員など約8人が参加した。

 故・山田真山画伯が原型を制作した祈念像は、高さ約12メートル、幅約8メートル。参加者は脚立に上り、像のひび割れや劣化を確認しながら、ほこりを拭き取った。

 像制作者の1人で、元県立芸術大学教授の糸数政次さん(66)は「世界平和と新型コロナが早く収束してほしい」という思いで、43年目の清めに参加した。祈念堂を訪れる際には、立体堆錦(ついきん)技法を用いた祈念像にも注目してほしいと呼び掛けた。

 感染拡大の影響で、2020年度に平和祈念堂を訪れた人は、7603人と、前年度より約87.6%減少した。

 沖縄平和祈念堂では22日午後3時から「沖縄全戦没者追悼式前夜祭」が開かれる。感染防止のため、一般の参加は呼び掛けず、規模を縮小して実施する。

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