過去100年間で最も低い被安打率も影響? МLBで投手の不正滑り止めが厳罰化

今後はボールの改善に取り組む必要がありそうだ(ロイター=USA-TODAY-Sports)

米大リーグ機構(MLB)は15日(日本時間16日)に21日(同22日)の試合から、異物(不正な滑り止め)を付着させることを禁止した野球規則の施行を厳格に行うと、全30球団に通達したと発表した。異物を所持したり、ボールに塗布するなどルール違反を行った投手は退場となり、10試合の出場停止処分を受け、違反を繰り返した場合は、段階的に懲戒処分を受ける。

MLBはおよそ2か月間、選手、審判、コーチらから受けた多数の苦情などをもとに情報収集したところ、MLBとマイナーリーグで投手の異物使用が蔓延していることが判明。回収されたボールの多くがベタベタしていること、第三者機関に依頼した調査で、異物のついたボールはスピン率などを向上させていることが判明したことなどを挙げ、それが今季、過去100年間で最も低い被安打率となっていると報告した。

先発投手は1試合に最低1回の審判からのチェックが義務付けられ、ブルペン投手も登板したイニングの後や登板後に帽子、グラブ、ベルト、ユニホーム、指先などのチェックを受ける。ルール違反を判断できるのは審判団のみで、ビデオ判定の対象にはならない。

投手が滑るボール対策として使用できるのは、マウンド後方に置かれているロジンバッグのみ。暗黙の了解となっている日焼け止めを例に挙げ、「日没後のナイターや、屋根の閉まった球場でプレーする際には、日焼け止めを塗らないようにアドバイスされている」と警告。捕手などの野手がボールに異物を付着させたことが判明した場合、その野手も退場となり、自動的に出場停止処分を受けることになる。

投手が滑り止めとして異物を付けるのは、ボールが滑りやすいことが原因。パドレスのダルビッシュ有投手(34)が指摘していたように、MLBはボールの改善にも取り組む必要がありそうだ。

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