ヴィラ伊王島 本年度末廃止へ 蔵書半減し、図書館機能移転 長崎市議会

長崎市が本年度末で廃止する予定の「ヴィラ・オリンピカ伊王島」=同市伊王島町1丁目(同市提供)

 定例長崎市議会の総務、教育厚生、環境経済、建設水道の4常任委員会が、15日始まった。教育厚生委で市は、伊王島のコミュニティー施設「ヴィラ・オリンピカ伊王島」を本年度末で廃止すると報告。公共施設の統廃合の一環で、図書館機能は蔵書数を半数の7千冊に減らし、近くの市伊王島地域センターに移す。廃止後の施設活用策は、民間売却を含めて検討する。
 ヴィラは1993年開館。市の指定管理者が運営し、1万4千冊の蔵書がある図書室の他、多目的ホールとフィットネスルームを備える。図書室の利用者は主に地元住民。一方、バドミントンなどができる多目的ホールなどは、近隣ホテルの宿泊客などの島外在住者が大半を占めていた。
 市は廃止を巡り、2018年から地元住民と協議を継続。公民館講座や地域行事などのコミュニティー活動は、引き続き伊王島開発総合センターの会議室などを利用できるようにし、図書室は伊王島地域センター1階に移設することで住民の同意を得た。図書室の広さは、ヴィラの3分の1余りの約90平方メートルになる。
 同委は施設廃止に伴う条例改正案と、新たな図書室整備費(1370万円)予算案を可決。廃止後の施設活用について、委員から「島民が今までのように利用しやすい形で考えて」と意見が上がった。


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